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 Diary 2003・10月18日(SAT.)

歌舞伎/幽霊

 リナさん来店。だが、私は会つてゐない。来店した、といふ証拠に、バッチが三つ置いてあつた。うーむ。ピース。

 ダイスケさん来店。カウンターで携帯を駆使しつつ、本日より始まつた日本シリーズの断片的中継をしてくれる。まづダイエーが先制し、阪神が逆転し、さらにダイエーがそれに追ひついた。そこでタイムリミット、ダイスケさんは帰つていつた…。試合の行方が気になるなァ、と思ひつつ、仕事を続行する。

 ベッチとアキラ 28000 来店。二人は本日、第一回歌舞伎フォーラムを無事に終へて、来店したのだ。ところで、歌舞伎フォーラムとは何か? それは要するに、ベッチとアキラ 28000 が二人で歌舞伎を観に行き、帰りに居酒屋などでそれに関する批評と愚痴、罵倒、賞賛などをグダグダと語り合ふ、といふものらしい。では、本日はどうだつたのか。それは、すでにかなり聞こし召してゐるらしい二人の様子から容易に窺へたのだが、口を開いた途端に罵倒の嵐であつた。

「新作歌舞伎の原作、立松和平ですよ! あの盗作野郎が!!」

「もう、最初から偽善的な香りがプンプン、アキラくんはズウッと寝てました」

「ボクも少しは我慢したんですけどね、堪らず、煙草を吸ひにロビーに出て、後は帰つてきて、寝てました」

 むむむ、なるほど。話は変はるが、先日アキラ 28000 は千日前の近所に引つ越したのだけれど、数多の怪奇現象に悩まされてゐるといふ。千日前と言へば、関西でも有数の霊スポット。昔は刑場や墓地だつたらしく、掘り返しても掘り返しても人骨が出てくるので全く土地が売れず、お金を払つて買つて貰つた、といふ伝説のある場所だ。我々の記憶で言へば、千日前デパートの惨劇がある。とにかく、昼夜を問はず霊が徘徊する場所として、私も色んな話を聴いてきたが、新たにアキラ 28000 の話が加はつた訳だ。アキラ 28000 によると、人魂のやうなものが飛び交つてゐるのがチラチラみへたり、夜に部屋で寝てゐると虫のやうなものがワラワラと沸いてきたりするのださうだ。

「引つ越し、失敗だつたかもしれません」とアキラ 28000 。

 しかし、京都にゐた時も、アキラ 28000 の住んでゐた部屋は霊の通り道に当たつてゐて、いつも煩くてかなはん、と言つてゐたので、まァ、同じぢやないか。

 ちなみに、本日阪神は負けましたー。

小川顕太郎 Original:2003-Oct-20;