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 Diary 2003・2月4日(TUE.)

迂闊だつた

 雑誌「正論」3 月号の兵頭二十八論文「TMD 幻想から覚めよ! 日本の『核武装』放棄で笑うのは誰か」を読んでゐて、しまつたア! 迂闊だつたア! と、叫んでしまつた。あらためて言ふまでもないかもしれないが、私は、日本は核武装すべきだ、と考へる者である。それは大学生の時からさうで、核兵器を持たない限り日本が一人前の国家になる事などあり得ないといふ、あまりにも(私にとつて)明々白々な事実が分からない周りの学友たちに、苛立つてゐた。あの当時は、まだ平和ボケ(あるいはアメリカによる洗脳)がきつかつたのだらう。最近では、さすがに、日本も核武装しないとやばいんぢやないか? といふ、当然の疑問を持ち始めてゐる若い人たちも増えてゐるやうだけれども、まだ、日本は核兵器を持てさうにない。

 さて、次に、お隣の韓国・北朝鮮の問題だけれども、この問題に関しては、私は「はやく統一できれば良いのに」と考へてきた。あれは明らかに冷戦の負の遺産だし、東西ドイツが統一できたのだから、韓国・北朝鮮もできるはずだ、なにより、同じ民族が引き裂かれてゐるのは、悲惨で仕方がない、と考へてきた。いまだ引き裂かれたままの家族も多いはずだ。で、両国が接近することは基本的に歓迎、といふ態度だつたのだが、兵藤二十八論文の指摘に、なんて自分は迂闊だつたのだらうと、呆れてしまつた。

 韓国・北朝鮮が統一を目指すのは、もちろん民族の悲願といふ側面が大きいのは当たり前だが、同時に、統一朝鮮が核兵器を持てる(かも)、といふ面も大きいやうなのだ。韓国も、日本と同様にアメリカ軍が国内に駐留して、核兵器を開発できないやうに、厳しく監視されてゐる国だ。ところが、北朝鮮と一緒になる事で、半完成の核兵器が手に入れば、一気に核武装できる可能性がある。さうすれば、アメリカからの独立も夢ではないだらう。もしさうなれば、日本にとつてこれは大きな脅威となる。核開発競争に負けた国の末路は、想像するだに悲惨だ。

 ああア、日本はなんで独自のウラン精製工場が建設できないのか。技術大国と違うのか。原発も次々と閉鎖してゐるし、この原発閉鎖はアメリカの陰謀だといふ説があるが、それもあながち嘘とは言へない感じだ。なんだか、日本の未来は暗いやうです。

小川顕太郎 Original: 2003;