ダラダラ日記
『セブンティーン第 2 部 政治少年死す』大江健三郎著を読む。前にも日記に書いたが、これは現在も著者の意向により封印され(普通には)読むことが出来ない小説であり、第 1 部だけ読んで欲求不満になっていた私は、いつか続きも読みたいと思い続けてきた。それが雑誌『スキャンダル大戦争』(鹿砦社)に、タブー破りの一環として、板坂剛の企画で掲載されたので、さっそく読んでみたのだ。
簡単に感想を述べると、やはり面白かった、が、予想を上回るものではなかった、といったところだ。第 1 部のほうが面白い。たぶん、第 1 部だけの方が、面白かっただろう。封印された幻の小説、というバイアスが、懸かりすぎていたのかもしれない。しかし、なんにせよ、読めてよかった。これでもう、変な幻想を抱かずにすむ。よく、三島由紀夫はこの小説に嫉妬していたが、結局この小説を越えることは出来なかった、といった説を目にすることがあるが(板坂剛も同説)、個人的な見解だが、その説は誤っていると判断を下すことができた。三島はこの小説に嫉妬したかもしれないが、『豊饒の海』にて(よく比較される『奔馬』にて、か)、この小説をじゅうぶん凌駕している。はやくこの小説がちゃんと解禁されて、みなが簡単に読むことができるようになれば、いいのに。
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雑誌 bmr がコンパイルした、レーベル「DEATH ROW」のベスト盤が出た。『NUTHIN' BUT DEATH ROW CLASSICS』。これがまた良い! ほとんど知っている曲ばかりだが、こういう形で纏められると聴きやすくて重宝する。特に『Nuthin' But A G Thang』〜『New York,New York』〜『2 Of Amerikaz Most Wanted』の繋がりがよくて、思わずそこばかり聴いてしまう。私はこれまで、どうも 2PAC が好きになれなかったのだが、このベスト盤を聴いて、はじめて 2PAC の事を良いと思った。文脈を変えることによって、見えてくる(聴こえてくる)ものもある。これが、優れたコンパイル盤の魅力だ。ここしばらくは、我が家のヘビーローテーションの座を独占するだろう。
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本日は恐ろしく暇。9 月はどうなるのか。
小川顕太郎 Original:2002-Sep-4;