読売書法展
「みやこめっせ」に、読売書法展を見に行く。これは数ある書の展覧会の中でも、権威のあるもののひとつである。今年の読売書法展では、私の師匠である小朴圃先生が、なんと読売新聞社賞を受賞したのであった! ババーン!! これは何としても見に行かねばと、仕事前にタクシーを飛ばして「みやこめっせ」に向かったのだが、なんと小先生の作品は第一会場である京都市美術館の方に展示してあり、京都市美術館の方は最終日だからという理由で早めに閉まっており、見ることが出来なかったのだ! ガガーン!!
あまりにも間抜けである。仕方がないので(?)、第 2 会場である「みやこめっせ」の中をブラブラする。あ、テラダさんのだ。そう、テラダさんも入賞していたのであった。とりあえず、それで満足してそこを出て、仕事に行く。
店の近くに「FOOTSOLDIER」(だったかな?)とかいう名前のスニーカー屋さんがある。ここは外から見ると、スニーカーをコンビニの冷蔵庫みたいな棚の中に入れて展示しており、店員は 3 人ほどいるのだが、お客さんがいるのは見たことがない、という店で前から気になっていた。で、ちょっと入ってみたのだが、とにかくほとんど商品がない! あっても「NOT FOR SALE」とか書いてあるし、それによく見れば、置いてあるスニーカーは全て「APE」と書いたものばかり。別にどうってことはない、普通のスニーカーだ。なんなんだ、ここは? と頭をひねりながら、そこを出る。
フクイくんとマツヤマさんが来店。「APE」の謎が解ける。フクイくんの説明によると、「APE」とは所謂ウラハラ系のブランドで、もの凄く売れているらしい。「APE」を専門に扱っている店は、開店前から行列が出来て、開店と同時にほとんどの商品が売り切れる、という。そうか、あれは商品が売れた後だったのか?! それにしても、ウラハラ系って、名前は聞いたことがあるけれど、なんなの?
「ウラハラ系のブランドっていうのは、藤原ヒロシが一枚噛んでいるんですよ。で、藤原ヒロシのバックには九州の***がいて、その***が原宿の裏の土地を買い占めて、藤原ヒロシにプロデュースさせて始めた商売なんですわ。まあ、キムタクとか芸能人に服を着させて広告塔にして、何も分かっていない純朴な若者に売る、と。だから藤原ヒロシは凄く儲かっているらしいですよ。これはグルビのイトウさんに聞いたんですけど、藤原ヒロシは『近来希にみる』豪邸を建てたらしいです。」
がーん! そうだったのか。藤原ヒロシなんか、とっくに消えたと思っていたのに、そんな事になっていたとは。それにしても、全く知らなかった。若者事情に疎くなりすぎか?
「いや、知らなくていいんですよ。僕らには関係ないから」とマツヤマさん。「だいたい、『APE』とかは、お洒落とかファッションとかの事をよく分かっていないけれどもお洒落になりたい、とか思っている人達が着るブランドなんですよ。ほら、昔のボートハウスみたいなものですよ。」
へ? ボートハウス? それ、知りません。
「うーん、じゃあ、セイラーズ。」
セイラーズ! それは分かります。なーるほど、そうですか。それは、まーったく我々に関係ないですね。
とりあえず、我々には全く関係のないところで、お金は廻っている、ということですね。ははは。
小川顕太郎 Original:2002-Sep-2;