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 Diary 2002・10月4日(FRI.)

不滅の少女

 雑誌「ユリイカ/総特集 矢川澄子・不滅の少女」を購入。まだ、ザッと目を通しただけだが、非常に興味深い。いままでよく分からなかった・知らなかった、矢川澄子の色々な側面が書かれている。考えてみれば、いや考えてみなくても、私は矢川澄子についてほとんど何も知らなかった。矢川澄子の著書を 5、6 冊持っており(訳書を入れればもう少しある)、たまたま目にした矢川澄子に関しての文章に目を通したことがあるくらい。興味はあるが、自ら積極的に調べた事はない、というのが実情だ。それに正直に言うと、私の矢川澄子に関する興味は、やはり主に澁澤を通してのものであった事は否めない。しかし、矢川澄子その人としての魅力、というと何かおかしいが、「少年皇帝・澁澤龍彦」を背景のひとつに持った「不滅の少女・矢川澄子」としての魅力、というものが当然あるわけで、この特集がそういった矢川澄子ワールドへの入り口となってくれれば嬉しい。そこを抜ければ、森茉莉に連なる、豊饒な「不滅の少女」ワールドが拡がっているはずなのだ。しかし、そこに至れば、ポーを持ったトモコがすでに立っているような気がしてならないのだが。

 テラダさん来店。色々と G な話をしてくれる。面白い。が、もちろんここに書けるような内容ではない。「では、また明日」と言って、テラダさんは帰っていった。ああ、明日か…。

 クラタニくん来店。日頃の悩みの一端を漏らす。この日記ではかなり道化としてキャラクター化されているクラタニくんだけに、クラタニくん悩む、と書くだけでギャグになってしまいそうだが、もちろん現実のクラタニくんはこの日記に登場するクラタニくんとは違う訳で、悩むことぐらいある。他のみんなと同様だ。しかし、エクリチュールというのは表象のシステムな訳で、膨大で豊饒なものを切り落とした所に成立する。そして、そのエクリチュールから常にこぼれ落ちているのが「少女の世界」ではないか。

 こうやって話は「不滅の少女」に戻っていくのです……。

小川顕太郎 Original:2002-Oct-6;