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 Diary 2000・11月28日(TUE.)

アマゾンコム

 布団の中で惰眠を貪っていると、呼び鈴の音に起こされた。これはもしかしてレコードが届いたのかもしれん、と思い、無理矢理に布団を抜けだし、ふらつく頭でドアを開けると、運送屋の人が腕いっぱいに荷物を持って立っていた。「オガワトモコさまにお荷物です」と渡される。トモコ宛? それにこの量は何だ? アマゾンコム? な、なに、アマゾンコム!!

 慌てて荷物を開けると中から大量に本が出てきた。料理の本や旅行の本など。どういうことだ。もしかしてアマゾンコムで買い物出来たのか? 「そう、言うの忘れてたけど、三日ほど前からちゃんと通じるようになったの」と後ろからトモコがほくそ笑みながら現れる。

 そ、そうだったのか、それでこんなに…でもこんなに勝手に買ってどういうことだ、私の分はあるんだろうな。「もちろんよ。ほらほら。」さすがはトモコ。まあ、本はどうしたってたくさん買ってしまうからね。私も欲しい本はたくさんあるし。でもこれからはちゃんと相談してから買おうね。お金もそんなにないんだから。さて、私の本は何かな、「『学び」の構造』かな、『少年リンチ殺人』かな……な、なあにい!! 『男のきものの雑学ノート』!! こ、こんな本は欲しがってないぞお!!

「まあまあ、こういう本も読んだほうがいいよ。私も明日には大量に着物の本が届くはずだから、一緒に読もうよ。ほら、ふんどしの締め方が載っているよ」‥‥ほんとだ。それも越中褌じゃなくて六尺褌だ。ううん、こりゃ役にたつ。…って騙されへんで! これ以外にもまだ本を買っているのか!

「あ、そうだ。アマゾンコム、日本だけじゃなくてちゃんと外国にも繋がったから。これで洋書も買えるよ」。それはいい。いや、でかした。さすがトモコは普段はパソコンなんて全く出来ないのに、買い物となったら出来るんだなあ。「そうなのよ。特に洋書は定価より安く買えるからお得!」そうか、そうなのか。定価より安く買えるのか。…っは! ということはすでにもう‥‥。

 本日は何故か夜が忙しかった。なにかあったのか? しかし、頑張って働いて稼がねば……。

小川顕太郎 Original:2000-Nov-29;