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Movie Review 1999・9月20日(MON.)

ジョニーの事情

 なんか朝日シネマで延々上映している『ライフ・イズ・ビューティフル』のロベルト・ベニーニが気のいいバスの運転手とギャングスターの 2 役を演じる。「事情」とは「2 乗」とひっかけているんだな。あっはっは。あーおかしい。ヒロイン、ニコレッタ・ブラスキは『ライフ・イズ〜』と同じ。昔にひっそり公開されたもののようだが「『ライフ・イズ・ビューティフル』のスタッフ、キャストが再び結集、ベニーニが送る新しい愛の物語」…とか云う具合に一見新作に見えるようしきり直して公開すれば、そこそこみんなだまされてヒットするんぢゃないだろうか。

 ベニーニはダウン症の子供たちが通う学校のバス運転手。ニコレッタ・ブラスキ演じる美女と知り合い、どういうわけか彼女の住むパレルモまですぐに来てくれ、それぢゃあ、と駆けつけるもなんだか雰囲気がおかしい。実は悪逆の限りをつくしたギャング、ジョニーと瓜二つの彼を身代わりにして殺しちまおうという陰謀が進行していたのだった…、という当たり障りのないお話。

『ライフ・イズ〜』はホロコーストをネタにしているのに対し、この映画はたあいのないマフィアネタか、という気がしたがどうもイタリアではマフィアのテロってのは身近な社会問題らしい。なるほど。

 パッと思いつきでやっちゃった感のあるギャグが後々の伏線になっているという基本的なギャグのパターンは『ライフ・イズ〜』と同じ。愕然とするほど大きな勘違いがありつつも回りの人びととうまくコミュニケーションがとれてしまうあたりは普段のオパールでの会話のようでおもしろい。

 あまり笑えないギャグの連発は『ライフ・イズ・ビューティフル』と似たりよったりなので『ライフ・イズ〜』を楽しめた方にはオススメする。パレルモの貧相な風景も楽しめるかな?

BABA Original: 1999-Sep-20;

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