男性論
柴門ふみ 角川文庫
男性にしろ、女性にしろどんな人でも異性に対する自分だけの「好み」とゆうものがあると思いますが、この『男性論』はまさに、柴門ふみの「好みの男性」について著名な歌手や、俳優、スポーツ選手をモチーフにズラズラっと書かれているだけの単なる「自慢話」に過ぎない…とは言いすぎかしら。
本の書き出しにはこうありました。
“いい男とゆうのは本当に数が少ない”
…ってあたりまえやん、〈いい男〉が星の数ほどいたら今度は「もっといい男」を探さなくてはならないし、数少ないこそ貴重な存在じゃないのか。と言いたい。さらにこの本での〈いい男〉の定義とは
“女が全身全霊で命をかけて愛しぬいても悔いのない、価値のある男”
とゆうことだが、これもまた大げさな…。おまけに
“日本のスタンダードな女の子たちにとって手の届く範囲での〈いい男〉”
…らしい。これにはもう飽きれてモノも言えません。スタンダードって何なのさ!
前書きからかなり気分を害したのですが、役 30 人余りにも及ぶ柴門ふみの言うところの〈いい男〉にはなかなか興味をそそられたので読んでみるとこれがなかなかどうして面白いじゃないの。
例えば大槻ケンヂや、ミッチーなど(浅香光代ではない)世の中の女性が口をそろえて「 キャーっ! 」と言わなさそうな人についてはなかなかイイ所見てるね、柴門さん、とゆう感じ。
若貴兄弟や皇太子殿下については思わぬ所で大発見。他にもたくさんの〈いい男〉について書かれているのだが、どれもこれもうなずける所が多いです。
また後から付け加えられたであろう本文の最後に書かれたコメントにはプっと笑ってしまう。
この本は、タイトルからして「男性論」と大げさにつけてしまったがために本文のあまりにも軽い内容に、前書きでちょっと重々しさを出さねばとゆう事であんな大口叩いていたのかと思えば納得もいきますわ。
最後にこの本を男性の方がお読みになっても決して〈いい男〉になれるわけでもなく、世の中の女性がみな柴門ふみと同じ好みではないということを忘れないでほしいと思います。
解説をしている「みうらじゅん」もかなり困っているご様子でした。
“柴門さん、こんなもんでどうでしょう?”
…っておいおい。
akira Original: 1999-Dec-20;
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