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Movie Review 1999・8月17日(TUE.)

π

 非常に優等生的左脳映画ですね。『8・1/2』の悪夢、『2001 年宇宙の旅』で提供される映像的想像力からは深遠さの点において 2001 光年の距離があると感じる。監督はバランスに気を配るばかりで、少しも溢れ出る「過剰さ」が存在しない。

 ほんとつまらなかった。世界はすべて数学によって解き明かせるはずだと信じる主人公が、株式相場の変動について数学的法則を発見しようとするが、それを悪用せんとする人々が近づいてきて‥という話だ。別段数学的に興味深い話も難問も無く、苛立つのは主人公だけである。「神をみた」ことを映像で表現しようとするのなら、せめて此方の感情が動かされる程度のイメージは用意しておいて欲しかった。こういう映画はもうほとほと飽きちゃってるし。しかし真面目に観てしまった自分と、立ち見まででるほどの盛況ぶりには苛々した。

ヤマネ Original: 1999-Aug-17;

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