ハイド・アンド・シーク
暗闇のかくれんぼ
もう、いいかい まぁだだよ もう、いいかい …もういいよ。〈超感動スリラー〉誕生! ババーン! …って、全然「超感動」ちゃうやん! ワケのわからない宣伝文句はもう、いいよ、って感じ、それはともかく小粒な話で丁寧な演出、ダコタ・ファニング(勝手につけた愛称=ダコやん)とデ・ニーロ、新旧演技派俳優が父子を演じるなかなかに見応えある佳作。今年62歳で「枯れ」を感じさせるデ・ニーロがダコやん(11歳)の父親、という設定は少々無理な気がしますが気にしません。
閑話休題。ダコやんとデ・ニーロはド田舎一軒家で二人暮らし、ある事件でダコやん深いトラウマ負っており、日に日に[ゴス化]していきます。父デ・ニーロがほとほと手を焼く中盤あたりが抱腹絶倒、ダコやんが、遊びに来た近所のド餓鬼の人形を×××、とか、ディナーの夜に真っ黒なドレスで現れる、とか、ついにウィノナ・ライダーをしのぐゴス子役登場か? うむ。と一人ほくそ笑んだのでした。
子を持つ現代アメリカ白人が抱える、「自分の子供がゴス化して、機関銃乱射したらどうしよう…?」という不安を見事に描いております。適当。
監督はジョン・ポルソン、脚本はアリ・シュロスバーグ。まったく知らない人たちですが、オリジナリティには欠けるものの、ミスディレクションの張り方がうまく…って私がまんまと引っかかっただけですけど、久々に気持ちよくだまされたのでした。
ちょっとしたヒネリの後、ダコやんとデ・ニーロの演技派対決はダイナミックに増幅、にしてもダコやんの演技にはいつもながらほとほと感心。さらにデ・ニーロも、久々に××××(自粛)演技を披露、某モダンホラー傑作の某名優とはりあう感じで、楽しませていただきました。
ラストのオチめいたエピローグは要らないかな? 終わりよければすべてよし、終わりダメなら台無し、ここをビシッとキメておれば傑作だったかも? と思いつつ、ダコやん、デ・ニーロ、演技派対決をお楽しみいただくオススメする次第。
☆☆☆★(☆= 20 点・★= 5 点)
BABA Original: 2005-May-9;