スーパーサイズ・ミー
ファーストフードを1日3食1ヶ月間食べ続けると、人間どうなる!? ババーン!
そもそもモーガン・スパーロック監督、思いつきの出発点は、とあるニュース、「ハンバーガーを食べて、肥満になったと主張するティーンエイジャーが、マクドナルドを訴えた。マクドナルド側は因果関係を否定」、ではでは! マクドナルドばかり食べ続ければ人間どうなる? 実験台は僕だ! と、
- マクドナルド店内に存在するものしかオーダーしてはならない。(水も含む)
- “スーパーサイズ”を勧められたら、断らない。
- 全てのメニューを必ず一度は食べる。
- 朝・昼・夜の3食全て残さず食べなくてはならない。
…との無茶なルールを課し、ときにはゲロゲロ吐きながらマクドナルドを食べ続けたら、やっぱり肥満になって性欲も減退、ドクターストップかかりながらも命からがら30日間マクドナルドだけを食べ続けた…という、とんでもないドキュメンタリーでございます。
スパーロック監督が課した条件は上記4項目だけでなく、「平均的アメリカ人は運動しないから、実験中ボクも運動しないよ!」という条件もありまして、そりゃ、あなた、運動せずに高カロリー食を食べ続ければ、肥満になるのは明々白々。と申しますか、肥満になるのが確実の実験を行ったら、ほんとに肥満になっちゃいました! …って、意外性のない展開にビックリでございます。
これが逆に、「マクドナルドを食べると肥満になるだと!? そんなワケのわからない言いがかりにとどめをさしてやる! 俺はマクドが大好きだ! 毎日三食、スーパーサイズを1ヶ月間食べ続けても、肥満にならないことを証明してやる!」と、ガンガンハンバーガー食べて、死ぬほど自転車に乗りまくって全米を横断、スリムな体型と低い体脂肪率を維持する…みたいな実験でしたら、結果の予想がつかず、手に汗握る面白さになったかも…、と一人ごちたのでした。
それに、被験者がスパーロック監督一人だけでは、データの信憑性が薄すぎるではないでしょうか? スパーロック監督は実験台でありながら、自らを被写体にして映画を作成しているという特殊な状況ですから、ストレスが原因でぶくぶく太ってしまったのでは? …なんて思ってしまいます。映画にはビッグ・マック中毒のオジサンも登場しますが、いたって健康そうですし。
ともかく、日頃マクドナルドを快く思っておられない方にオススメです。ていうか、私の場合、長年マクドには近寄っていなかったのにこの作品を見て、無性にビッグ・マックが食べたくなって、今週は2回も食べてしまいました。久しぶりに食べるとおいしいものですね。どうやらこの映画の映像が、私の無意識に刷り込まれてしまったようです。テレヴCMの映像ですと、こちらもガードしているのですが、「マクドナルドに批判的な映画」というので、ついガードを下げてしまったみたいな?
私のように、映像による情報操作に対する免疫の弱い者には悪影響ある作品かも? とりあえず、ヴェジタリアンの方は「我が意を得たり!」と面白く見ていただけるかと存じます。オススメ。
☆(☆= 20 点・★= 5 点)
BABAOriginal: 2005-Jan-11;