予言
これがあなたの運命だ。ババーン! 一本目の『感染』では、途中で映画館出たろうかしらんと思いつつ、根が貧乏性なので我慢してやっと見終えて次は『予言』、こちらの監督は鶴田法男氏、『リング 0 〜バースデイ〜』の人、『感染』の監督・落合正幸氏、原案・君塚良一氏よりは、一億倍は「ホラーのホラーたるゆえん」を了解されておられる感じで、安心して見ることができました。……って、ホラーで観客を安心させていいのか?
以下、ネタバレしてます。
さて、未来のできごとが書いてある新聞を見たばっかりに、三上博史がえらい目にあうというお話、そう、原作はつのだじろう『恐怖新聞』だ! と、いっても中学生・鬼形礼の家に真夜中、バタバタバタ…バタバタバタ…と足音が近づき、がっしゃーん!! ぎゃーーー!! 「しんぶーーーん!!」勢いよすぎて雨戸も窓ガラスも突き破って新聞が届けられ、それには未来の記事、読むと寿命が 100 日縮まるとポルターガイストが説明してくれる……という話でなく、だいぶんと換骨奪胎されていて、前半は三上博史と酒井法子の夫婦が「恐怖新聞」風の未来新聞の謎に迫り、鬼形礼の家に行ったりするお楽しみもあり、クライマックスは未来新聞の予言は変えられるや否や? で盛り上がって、結構感動的な話になったりします。
しかし、だいぶん詰めが甘い感じで、三上博史は高校教師なんですが、たとえば未来新聞で教え子の死を予言され、現場にかけつけたけれども結局教え子は目の前で死んでいく…って、なぜ警察は三上博史を最重要参考人としてきびしく取り調べないのか? 言動・挙動ともにあやし過ぎるのに…とか、別れた妻が列車事故にまきこまれるのを救ったりしますが、キミ、ほかの乗客は死んでもいいのか? とか、リアリティがポロポロこぼれていく感じ、これはひょっとして…ひょっとして…と思っていたら、やっぱり! ほとんど「夢オチ」じゃん!! …「夢オチ」2 本立てって…。これが「J-YUMEOCHI シアター」だったら納得できるんですけど。
オチが読めるとはいえ、『パラサイト・イブ』でも笑わせてくれた三上博史「超常現象にまきこまれて、少し錯乱した人」演技がバッチリ堪能できますし、最近のホラー『呪怨』とか、『ファイナル・ディスティネーション』または『タイムマシン』の成果を取り入れている感じ、『感染』よりははるかに(500 %)マシですのでオススメです。
☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)