京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal:Home

Home > Reviews > 04 > 1026
 Movie Review 2004・10月26日(Tue.)

スウィングガールズ

公式サイト: http://www.swinggirls.jp/

 ジャズやるベ♪ ババーン! 快作『ひみつの花園』矢口史靖監督最新作、高校生が青春なにごとかに打ち込むのは前作『ウォーターボーイズ』と同じパターン、今回は、女子高生がのんべんだらりん暮らしておって、ひょんなことからビッグバンドジャズに挑戦するお話、女子高生なぜにジャズに挑戦するにいたるか? おなじみ矢口史靖タッチでだらだらボケをかましてつづられる「起・承」パートは漫画チックなボケがツボにはまればよろしいけれども、さもなければボケ過ぎでぜんぜん話が進まない感じ、しかし、数学教師・竹中直人がバンドの指導を始め、女子高生ついに「ジャズのなんたるか」をつかみ、音楽することの喜び・ジャズの楽しさあふれるクライマックス吹奏楽コンテストまで一気に物語が躍動する…といいたいところですが、例えば、主人公・上野樹里ちゃん、コンテストへの参加申し込み手続きをすっかり失念しておった、みたいな一悶着は、やはり、ボケがしつこい、ボケるのも大概にしなさい、とツッコミながらラストの演奏シーンで茫然と涙してしまったのでした。

 と、申しますか、『ウォーターボーイズ』は、男子高校生がシンクロに挑戦するという、ボケずには語れないネタ、題材自体がボケ、しつこいボケも気にならなかったところ、今回は、仮にリアルにクソ真面目に臭くコテコテに語っても感動を呼びそうな題材、照英主演で『スクール・ウォーズ』女子高生ジャズ版でもよい感じ? しかしそうすると「文科省推薦」臭い青春映画になってしまいますから、それでは「小粋」が信条、「スウィングしなけりゃ意味がない」「スウィングさえすればなんでもあり」ジャズの面白さが伝わらず、すなわちジャズを描く映画もスウィングしなければならず、この『スウィングガールズ』ではしつこいボケが「裏拍子」となっててよろしいんじゃないかのぉ? ってよくわかりませんが、前半ダラダラ感があったからこそクライマックスが俄然盛り上がるわけで、何が言いたいかというと、色々ツッコミどころはあれど、女子高生が制服姿でビッグバンドジャズを演奏する、そのスウィングっぷり天晴れ、バチグンのオススメです。

☆☆☆★★★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2004-Oct-25