トリコロールに燃えて
そして、私に残ったのは愛だけでした。ババーン! 『モンスター』で13キロ体重を増やし難役に挑み、見ン事、米国アカデミー主演女優賞を受賞したシャーリズ・セロン、今回は、だいぶとクラシックなメロドラマ、共演は実生活のパートナーでもあるスチュアート・タウンゼント、『モンスター』とうってかわってやりたい放題好き放題、「美人女優」なら一度は演じてみたい感じの役柄を、自信たっぷり堂々と演じるハリウッド・ビューティっぷりがお見事、『モンスター』でたまったストレスをドカンと爆発させている感じでございます。
シャーリズ扮するギルダ…って名前からしてそれ風ですが、第二次大戦直前・戦時中にあって、大金持ちの娘、奔放な性生活を送り、花の都パリーではダダイストな前衛芸術家、写真家となって、モデルのペネロペ・クルスとレズビアン関係を結び、愛人スチュアート・タウンゼントは、スペイン義勇兵に参加、後にナチ占領中のパリーにイギリス軍情報将校としてやってきて、その頃ギルダはドイツ軍将校の愛人になっていて…と、目もくらむようなハーレクイン・ロマンスな(よく知りません)メロドラマ。
ベタなメロドラマですけれど、スペイン内乱の模様とか、ナチ占領前後のパリの風物などの歴史背景が、最近ではあまりお目にかかれない感じで新鮮でございますね。パリ市民がナチ協力者をリンチにかけていくシーンとか、面白ございました。
監督・脚本は…お! ジョン・ダイガン! 誰も注目していないと思いますけど、割と面白かった『キャメロット・ガーデンの少女』の監督さん、なかなか手堅い演出、1930年代〜パリ解放までの大河ドラマを2時間に過不足なくまとめております。
とにかく、『モンスター』では苦労したから、今回は好きにさせてもらうわよ! って感じでシャーリズ・セロンが欲望を解放しまくってアッパーな感じ、役柄的にもそういう「好き放題に生きた女」、レトロな衣装をとっかえひっかえ、男もとっかえひっかえ、でも、ホントに好きなのはスチュアート・タウンゼントよ! …って感じで、ノリノリですのでオススメです。
☆☆☆★(☆= 20 点・★= 5 点)