メダリオン
生誕 50 年・日本公開 50 作品 記念超大作! これがジャッキー流エンターテインメント! 香港映画史上最高の製作費 3 億香港ドル! ババーン!
しかし、ダメだ! ダメだ! ダメダメ! まったくダメリオン。かいつまんで説明しますと、伝説のメダルでジャッキーが超人的な力を得て、ジュリアン・サンズをボコる、というお話。ジャッキーは、ピストルで撃たれても、高いビルから落ちても死なない不死身、CG バンバン、これではまったくダメリオン。
「香港映画史上最高の製作費」って、ほとんどハリウッドでの CG 製作に使われた、と思われますが、そもそも、ジャッキー・アクションほど CG に似つかわしくないものはないのでは?
ジャッキー映画が感動を呼ぶのは、ただ面白い映画を作りたいがため、命をかける男がいる、ただ観客を喜ばせるためだけに、めちゃくちゃ痛い思いをしている男がいる、それこそが感動的なのであって、CG を使うのとどうしてもニセモノ感が漂ってしまうのですね。
恒例、肝心のエンドタイトル NG 集も、セリフを間違えるとか、吹き出したりとか、ほのぼのしたものばっかりで、さぞ撮影は楽しかったのでしょうね。ようござんした、って感じです。
例えば映画史に燦然と輝く名作中の名作『プロジェクト A』、ジャッキーが高所より落下、失敗して地面にたたきつけられ顔が苦痛に歪み、スタッフが心配げにかけよる、……みたいな NG こそに、私は「なぜ、たかが映画のためにそこまでする!」と茫然と感動、涙を流しながらジャッキー最高! と一人ごちるのです。
ジャッキーも 50 歳ですし、アメリカ進出を果たした大スターですし、若いときのような無茶はできないのはわかりますが、CG に頼られてしまうと、一抹の寂しさを覚えるのでした。
しかし、まったくダメリオンかというとそうでもなく、物足りないまでもジャッキー名物「市街地での追っかけ」は、さすがアクション監督サモ・ハン! よくわかってる! って感じで素晴らしいです。短くて物足りないのですが。
また、若干ネタバレですが、ジャッキーと伝説のメダルを持つ少年が閉じこめられたコンテナが、海中へ落下! ジャッキー危うし! というシーンで、ジャッキーが少年に見せる圧倒的なやさしさに私は茫然と感動、ちょっぴり泣いちゃった。やっぱりジャッキー最高!!
アメリカ映画主演作が続き、「アメリカ人はジャッキーの活かし方がわかっていない!」と忸怩たる思いにとらわれ、やっとジャッキーが香港に帰ってきた! と思ったら CG ばんばんですっかりアメリカナイズされていてショボーン、何が悲しゅうてジュリアン・サンズと対決しなあかんねん! ジャッキーの才能浪費時代はまだまだ続きそうです、と、私は一人ごち、とりあえず「CG を使いません!」「スタントマンを使いません!」…という、『マッハ !!!!!!!!』に対する期待が嫌が応にも高まったのでした。
とりあえず、ジャッキー、50 歳おめでとう! って感じでオススメです。
☆☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)