コール
誘拐犯演じるはケヴィン・ベーコン、誘拐される娘は『アイ・アム・サム』での名子役ダコタ・ファニング、娘を誘拐されたのは、母シャリーズ・セロン、父スチュアート・タウンゼント(『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』のレスタト)、さらにコートーニー・ラブも出演、無駄に豪華なキャストで繰り広げられる、息をもつかせぬ誘拐サスペンスである! ババーン!
誘拐犯ケヴィンが言うには、「俺の計画は完璧だぜ、大抵の誘拐犯は身代金受け渡しでヘマをするんだ、俺はそこをクリアしたんだ、俺って天才、もう 4 回も成功してるんだぜ!」、そんな水も漏らさぬ計画が、D ・ファニング実は喘息持ち、発作が起きて薬がなければ死んでしまうとはさすがのケヴィンも計算違い、ガラガラガラと計画が狂いまくって…と、作り手にスマートさ+トンチがなければどうでもいい話になること必至、しかし監督は『男が女を愛する時』『エンジェル・アイズ』『メッセージ・イン・ア・ボトル』、緩めのラヴストーリーを得意としてきたルイス・マンドーキ、犯罪サスペンスの監督は一朝一夕に務まるものでなく、思わずホッコリみたいな。
そもそも「4 回成功したんだぜ、どうよ、俺って頭いい?」と自慢ふんぷんケヴィン・ベーコンですが、犯罪も繰り返せば必ず失敗して命取りになるのが世の常、4 回も誘拐をくり返さねばならないのは、一回あたりの身代金が少な過ぎたわけですから、阿呆丸出し、そんな阿呆が知力を誇るとは笑止千万、事件の発端から萎え萎え、さらにオープニングで共犯者が微妙に善人なことがいきなりバラされてホッとひと息、スマートさもトンチも皆無の犯罪サスペンス、「マンドーキ君はロマンチックなラヴストーリーを撮っていなさい!」と、呆然と一人ごちたのでした。
ってそんなことはどうでもよくて、詰めが甘いお話、さすがにクライマックス盛り上がらんなあ、と思ったのか、「お前は『デッド・コースター』か!?」とツッコミたくなる一大交通事故シーンを繰り広げるに至って、思わずほのぼの、ホッコリみたいな。
ケヴィン・ベーコンが○○○切られて思わず涙目になるシーンは抱腹絶倒、そういうのがお好きな方(?)にオススメです。
☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)
BABAOriginal: 2003-Jan-7;