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 Movie Review 2004年12月27日(Mon.)

ホネツギマン

 復讐するは、最強の骨にあり。ババーン! 『ホネツギマン』とはけったいな題名ですが、原題は“The Naked Man”…裸の男とは?

 主人公はカイロ・プラクティック療法士、夜の副業は覆面レスラー、そのリングネームが“ネイキッド・マン”、コスチュームは人体模型風。そんな彼が心神喪失状態で家族の復讐に燃える…という珍妙な設定。

 監督・脚本はJ・トッド・アンダーソン、『赤ちゃん泥棒』以降、コーエン兄弟全作品のストーリーボードを手がけた方だそうで、脚本にはイーサン・コーエンも加わっております。で、『ファーゴ』『ビッグ・リボウスキ』的な奇妙なキャラクターが登場し、くり広げる喜劇とも悲劇ともホラーともつかないコーエン兄弟風のお話、何が面白いのか説明しづらい微妙な仕上がりで、1998年に完成したものの長らくお蔵入りして今回の日本公開が世界初公開だそうで。さもありなん。

 最近、『スパイダーマン』『デアデビル』『ヘルボーイ』『パニッシャー』など、アメコミの映画化作品が連発されており、この『ホネツギマン』もそういうアメコミヒーロー的な筋立て、ネイキッド・マンはいかにして誕生したか? 必殺技は間接技! みたいな微妙なツボのはずし方、脱力感がよい感じで、ヒーローを必要とするアメリカに対する痛烈な批評となっております。適当です。

 ネタバレですが、内蔵が飛び散りまくる素晴らしく悪趣味なシーンもあり、多くの観客はドン引き必至(私は大喜び)、コーエン兄弟作品がお好きな方にオススメです。

☆☆☆★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2004-Dec-20