ネメシス
S.T.X
さて、ポスターには玉虫色のファッションに身を包んだ禿頭の後ろ姿、コピーは「恐るべきは自らの暗黒面(ダークサイド)だ」、して『ネメシス S.T.X』というタイトル…うーん、まったく中身がわからない! で、鑑賞に臨んだところ、何の事はない、『スター・トレック』の映画版でした。わからんっちゅうねん。って、そんなことも知らずに映画館に出かけるとは、はは豪気だね、とおっしゃられるでしょうが、私、この 4 月より「社団法人 日本映画テレビ技術協会」の準会員となりまして、シニア料金で入場できるのです。言うなれば毎日が映画の日。随分気軽に劇場に足を運べるようになりました。準会員は、誰でもなれるバチグンのオススメ。
そんな話ではなく、『ネクスト・ジェネレーション』シリーズの映画版 4 作目なのですが、私テレヴィシリーズはほとんど見ておらず、しかしそれでも前映画版『スター・トレック/叛乱』まではそれなりに面白く見たのですよ。しかし、今回は箸にも棒にもかからないというか、てんで面白くないのには参りました。
ことに、クライマックスでは、宇宙船同士のガチンコ勝負がコンピュータ・グラフィックスを駆使して延々と繰り広げられるのですが、「CG は嫌いや」と何度言えばわかるのですか? というか、今どきこんな CG を見て「おお! すげぇ」と驚かれぬる方がおられるのでしょうか。
て、いうか、そもそも、『スタートレック』は、人種問題などなまなましいテーマを、検閲の目を逃れて描くために未来社会を舞台にしたと言うではないですか。劣化ウラン弾、クラスター爆弾、デイジーカッターをドカドカ落とすイラクから遠く離れて、CG による巨大戦艦のバトルやっとる場合とちゃうで、と言わせていただきたい。
あ、そうそう、観客数約 10 名の京極東宝で鑑賞に臨んだのですが、外国人のカップルが来られてまして、映画が始まるまでぺちゃくちゃおしゃべりされていたのですよ。すると、どこからか「お前ら、映画館でしゃべるな!! 迷惑や!! しゃべるんやったら外でしゃべれ!」と関西弁で怒鳴るお客さんがおられるではないですか。そら、本編中にしゃべられたら迷惑かも知れませんがね、まだ「京都フラッシュニュース」やで。「気軽にしゃべらせたれや」と思いましたが、黙ってました。が、やはり、トレッキーな方にとって、劇場版公開は、衿を正して背筋を伸ばし、予告編からコンセントレーションを高めて鑑賞すべきものなのでしょうね。
ともかく『ネクスト・ジェネレーション』シリーズの大ファンな、「週刊スタートレック」もちろん買ってるよ、なトレッキーな方限定でオススメ。
☆(☆= 20 点・★= 5 点)
BABA Original: 2003-May-2;