ダークネス
『オープン・ユア・アイズ』『アザース』のアレハンドロ・アメナバールに続き、スパニッシュ・ホラーの新たな鬼才ジャウマ・パラゲロが放つミステリー・ホラーである! ババーン! …どうやら、スペインでもホラーが盛り上がっているようですね。で、恐いかといえば、中田秀夫、黒沢清、加えて新鋭『呪怨』の清水崇らによる日本のホラーで常々恐怖のどん底にたたき落とされている日本人には、何が恐いのやらさっぱりわからない、というか、やっぱり今やホラーは日本ですよ、日本。
アメリカで失神者/中途退場者続出した『エクソシスト』が日本で初公開されたとき、「こんなんやったら日本の怪談映画の方が恐いで」と話題になり、「いやあれは、キリスト教文化圏の人なら恐いんですよー」と知たり顔する方もおられたと記憶しますが、そうではなかった、やはり、日本のホラーは純粋に恐かったのである、と、『リング』がアメリカで恐がられてリメイクされるなど、ハリウッドが日本のホラーに注目し始めた最近にして思うのでした。アニメーションに続き、日本のホラーが全米公開される日も近いのではなかろうか?
そんな話はどうでもよくて、さてこの『ダークネス』、『シャイニング』『ジェイコブズ・ラダー』の影響を受けており、キミ、キミ、今やホラーは日本だよ、日本。日本のホラーを研究しなさいよ、とソッとつぶやいてみたのでした。
スペインの因縁深い一軒家に、アメリカから引っ越してきた家族を襲う恐怖、みたいなお話なんですけどね、『シャイニング』みたく、亭主がキチガイになったりの恐ろしい出来事は家が原因で生起しますので、それがイヤならとっととその家を出ればいいのに、どういうわけか家族は出ていかないのです。『シャイニング』は雪に閉ざされたホテルに閉じこめられているから恐いのであって、逃げ出したいけど逃げ出せないというシチュエーションをガッチリ作り上げて、恐怖をつるべ打ちにしなければならないのに、何がなんだかよくわかりません。というか、一軒家の因縁にしても、皆既日食の日に、子どもを 7 人殺せば何かいいことがある、みたいなよくわからない話。映像的には、気色のいいシーンがいくつかあるにはあるのですけれど。
『X- メン』のアンナ・パキン、レナ・オリン、ジャンカルロ・ジャンニーニなどが出演、恐いのが苦手な方も大丈夫、オススメです。というか、恐くない代わりに眠いのでお楽しみいただけるかと。ムニャ。
☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)
(BABA)