水の女
ヤングに人気絶頂のシンガー、UA が映画初主演。共演するのは、これまたヤングに人気沸騰の浅野忠信。銭湯を舞台に「水の女」と「火の男」の宿命の恋を描く現代の神話である! ババーン!
「水の女」と「火の男」以外にも、「風の女」「土の女」もいらっしゃって、さて、その「風の女」=フラフラと全国を放浪した後、富士山絵師の弟子となったユキノさんはいいます。
「うちの師匠は 50 年間、銭湯の富士山を描き続けているんだよー。凄いっしょー。50 年前から、キース・ヘリングやってるんだよー。」
ギャーッ! そのセリフを耳にした刹那、全身を襲った激痛に、私の意識は遠のいていったのでした(約 0.5 秒)。
…と、いう具合に、か・な・り、痛いセリフがあるのでご注意ください。
また、「映像に凝っております」というイメージの奔流で、「…こ、これはちょっと…?」と何事かをおずおずと切り出したくなる気持ちをグッと抑えて、とにもかくにも最後まで見ていられるのは、主演 UA の存在感と浅野忠信(関西弁)の演技が素晴らしいからであった、さらに! ワンシーン、“ザ・ぼんち”のおさむちゃんが登場して観客を爆笑の渦にたたきこむ! …あはははははは! アレ? 大笑いしていたのは私一人でした。…すいません。ショボン。
それはともかく、過剰な説明を排し、美しい映像で中上健二風(よく知りません)の物語が語られるのはよしとして、個々のイメージがポンポンポポーンと投げ出されるのもよいのですけど、なんというかヴィデオ・クリップ的と申しましょうか CM 的と申しましょうか。
上映時間 115 分なのですけど、悪魔のように細心に撮られた「映像美」シーンを、天使のように大胆にカットし、45 分くらいにまとめれば傑作たり得たのではないでしょうか。よくわかりませんが。それはともかくスタイリッシュな映像世界に闖入する、おさむちゃんはバチグンのオススメ。最高。
☆☆(☆= 20 点・★= 5 点)
(BABA)