Movie Review 2003・1月14日(TUE.)
ギャング・オブ・
ニューヨーク
公式サイト: http://www.gony.jp/
構想 30 年、撮影 270 日、製作費 150 億円、ニューヨークの人種対立を描いているからか、同時多発テロ直後に完成していたにもかかわらず公開が 1 年延期された、という、てんやわんやの底抜け超大作です。
まあ、何が凄いといって、1846 年〜 1863 年のニューヨークの街並みの再現ぶりがもの凄く、というか、もの凄い無駄で、デカプリオ本格主演作なので出資者が集まり過ぎたからか、それならばとイタリア移民の子=スコセッシは、心の故郷イタリア、チネチッタ・スタジオで大盤振る舞いの巨大セットを続々建設、さぞ鼻高々であったことでございましょう。
と、そんなことはどうでもよく、アイルランド移民の父親を殺されたデカプリオの復讐劇を描きます。親の仇はダニエル・デイ=ルイス。デイ=ルイスは、父の仇でありながら圧倒的な「父性」の持ち主であり、デカプリオが徐々に惹かれていくというのが面白い……はず。また、女スリ師=キャメロン・ディアスとの愛憎劇も面白い……はず。しかしスコセッシには、クラシックというかロマンチックな物語は似合わないですね。上映時間は 2 時間 40 分もあり、デカプリオの復讐もロマンスも、どうでもいい感じでただひたすらチネチッタに再現されたニューヨークの風物を楽しむのみ。
さらに、こういうドッシリとした映画ならばカメラがチョコマカ動き回るのはどうか? なんですけど名手ミヒャエル・バルハウスのカメラは縦横無尽に動き回り、話の重さも相まって、新年早々どっと疲れました。
しかし、大コケしてスコセッシが新作を撮りにくくなるのは困るので、ぜひみなさまも見に行ってくださいませ。
☆☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)
(BABA)