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 Bicycle Review 2003・2月25日(TUE.)

GIANT MR-4F

1. 購入まで

 突然ですが、折り畳み自転車を買いました。

 ジャイアントの「MR-4F」です。ジャイアントは、コストパフォーマンスが高いことで知られ、世界最大の生産量を誇る、台湾の自転車メーカーです。

 さて、すでにマウンテン・バイク、ロードレーサーと、 2 台も自転車を持っているのに、なぜに 3 台目? と多くの読者は疑問に思われるでしょう。って知らんか。私自身も不思議なのですが、例えばですね、電車やバスでの移動先で「嗚呼、いまここにマイ自転車があればなあ」と思うことがたびたびあり、かといって、MTB やロードレーサーを輪行バッグに入れて持ち運ぶのは大げさなので、比較的コンパクトに持ち運べる折りたたみ自転車を買おうかしらん? と思ったわけです。「なぜメガネも着替えないの?」というメガネ屋さんの CM がありましたが、自転車も TPO に合わせて日々乗り換えるべきではなかろうか? 今までは、晴れの日=ロードレーサー、雨の日= MTB と乗り分けておりましたが、天候に左右されず、心の赴くままに乗る自転車を選ぶべきではなかろうか? …ってよくわかりませんね。

 予算は 10 万円以下に設定。ここで多くの読者は疑問に思われるでしょう。なぜにさように高価な自転車を買わんと欲すか? 私自身も不思議なのですが、一般的に「高い自転車ほど軽く、よく走る」という定理があり(あくまで一般的に、です)、例えば通勤目的に使用した場合、一分一秒を争うスプリントが要求されます。10 万円超の高級スポーツ自転車を通勤用にあつらえるのはなんら不思議ではない。って、スポーツ自転車界にあって 10 万円以下は高級でもなんでもないみたい。…って、自転車に関しては金銭感覚がマヒしてるような気がしますが気にしません。それはともかく、折りたたみ自転車も、2 〜 3 万円から、20 万円くらいのものまで色々あるようです。

 それなりにスポーツ感覚で乗れる折りたたみ自転車として、DAHON 社の「ヘリオス」、R & M 社の「BD-1」(日本販売元:ミズタニ自転車などが候補にあがりましたが、結局 GIANT MR-4F に決定。その理由は…

  • ホイールが、ヘリオスは 21 インチ、BD-1 は 18 インチ。MR-4F は若干大きめの 24 インチで、走りやすそうである。うむ。

  • ノーマルの BD-1 は重量約 10.5kg 。ヘリオス(P-8)は 11kg 。MR-4F は 10.3kg 。MR-4F の方が軽い。ヘリオスの 20 周年記念モデルは、なんと 8.5kg と超軽量なんですけど、値段も定価 195,000 円と高め。ふむー、と小一時間悩みましたが、折りたたみ自転車に 20 万円近くかけるのはちょっとなあ…って、結局パーツ交換やなんかでそれくらいはつぎ込むことになると思うんですけれど。

  • …なんてことはどうでもよく、MR-4F が単に「カッコ良く見えた」だけなんですけどね。エヘエヘ。

 難点をあげておくと…

  • 折り畳むとき、ヘリオスや BD-1 はそのままペコペコ折り畳めばよいだけですが、MR-4F はサドルをひっこ抜かなければならない。前輪もはずさなければならない、若干面倒くさい。

  • 折り畳んだときの寸法も、90 × 92 × 15 cm と若干大きめである。ちなみに BD-1 は 72 × 60 × 39 cm 、ヘリオスは 84 × 60 × 38 cm 。

  • 何より、24 インチの折り畳み車はマイナー、というか他にないみたい。ホイール交換の選択肢が無いに等しい。

 …なんか、MR-4F は失敗のような気がしてきました。比較的折りたたみが容易な、DAHON や BD-1 でも結局折りたたまなくなる、という話ですので、MR-4F も折りたたまなくなることは火を見るより明らか…ですが、カッコ良ければ何でもいいのです。私が、サイクリストの導師と勝手に崇める Power 氏曰く、「ロードは性能じゃなくてかっこよさで選べ」。これはロードレーサーだけでなく自転車一般に敷衍することができるのではないでしょうか。

 つまり、自転車というものは、身体の延長というか、遺伝子の「拡張された表現型」と言ってよく、ってよくわかりませんが、ビーヴァーが小枝でダムを作るがごとく、人間は、自転車に乗るべく遺伝子にプログラムされているのではなかろうか?(んなわけない) 自転車は、クルマやオートバイよりも遙かに身体的な乗り物です。むしろ「乗り物」というより「衣服」に近いものがある。やはり「ピンと来ない」自転車には乗りたくない、っちゅうことでございます。イカした自転車に乗ることは、イカした人生を指向することに他ならないのである。そう、自転車とは、そのフランス語“velo”が“love”のアナグラムであることが示すように、自転車即愛。愛即自転車也。愛なき人生が虚しいように、自転車なき人生も虚しいものと知れ。

 そんなワケのわからない話はともかく、自転車ツーキニストの日本における第一人者、疋田智氏も「最近は、毎日 MR-4F に乗ってる」と言っておられます。って情報に弱い私。

 さて、今回は通信販売で買おう、と思っておりました。通信販売の場合、売値は低めという利点があります。しかし、故障などの困ったときに自転車屋さんに持ち込んで相談しづらい、という難点がある。しかし私もかれこれ 2 年ほど自転車整備にいそしみ、パンクの修理はお茶の子さいさい、パーツの全交換までやっちゃった、てくらいですので、大抵の修理・調整は自分でできなくもなかろう、通信販売でもいいかな? って感じ? この不況のおり、街の自転車屋さんを潤さないのは若干心が痛むのですけど、すまん。

 通販で買うと決めたものの、そこは小市民ですから購入前にやはり実車を見たい。で、折りたたみ自転車専門店の MOKU2+4 で見た(見ただけ)。ガーン! カッコいい。置いてあったのは、2002 年・ドロップハンドルタイプの「MR-4R」でした。「MR-4」シリーズには、ドロップハンドルタイプの「MR-4R」と、フラットバーハンドルの「MR-4F」があり、ドロップハンドルタイプの「MR-4R」の方がよりロードレーサーに近い乗り方ができ、おまけに後ろのギアが 1 速多くて 9 速だったりします。値段は約 2 万円割高。ここは悩みどころでしたが、「MR-4R」が、ポリッシュ・シルヴァーなのに対し「MR-4F」はツヤ消しブラック。ブラックの方が好みかな? ってどうでもいいですか?

 自転車通販サイトのデファクト・スタンダード、サイクルベースあさひで注文。銀行振り込み後約 4 日ほどで、ダーンとでかい段ボール箱に入った MR-4F が届きました。箱から取り出してまずはご挨拶です。

「いらっしゃい。キミのオーナーの BABA です。大事に乗るから、よろしくね」
MR-4F
「お邪魔します。これからよろしくお願いします。ペコリ」

 …ふむ、今どき珍しい、なかなか礼儀正しい自転車ですね。それでは、次回「乗る前に」に乞うご期待。…って続くんですよこれが。アスタ・マニャーナ。

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BABA