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 Movie Review 2002・10月10日(THU.)

インソムニア

『メメント』のクリストファー・ノーラン、待望の新作、ですが、なんでも 1997 年同名ノルウェー映画のリメイクらしいです。

 アラスカの田舎町、髪を洗われ爪を切られた 17 歳少女の死体が発見される。ロサンジェルスからベテラン刑事アル・パチーノが派遣され捜査にあたる。パチーノは、名刑事なんだけど違法捜査の疑いをかけられている最中で、ストレスがたまっております。おまけにアラスカは陽が沈まない白夜の季節。「明る過ぎて寝られない…」と、アル・パチーノはインソムニア=不眠症に陥りつつも捜査を続けます。…果たしてパチーノはグッスリ眠ることができるのでしょうかー? ババーン。

 なんといってもアル・パチーノの寝不足演技が素晴らしく…って普段から眠そうなんで寝不足演技にピッタリですね。この役を演じるために生まれてきた、と言っても過言ではない。パチーノは眠れなくて判断力をマヒさせ、のっぴきならない泥沼に陥っていきます。「やっぱり人間にとって睡眠は大事である。うむ」との教訓的なお話。主人公刑事が寝不足であるという点で『踊る大走査線― THE MOVIE』の影響を受けている、と思われます。…んなわけないか。

 そんなことはどうでもよくて、滅多にお目にかかれないアラスカの風景が素晴らしく、オープニングの氷河を飛ぶセスナ機、冬にはきっと雪に埋もれるのであろうヒッソリとした街なみ、港の木場、など。陰影の濃い撮影もよい感じです。

 ロビン・ウィリアムズの鬱陶しさ全開の演技も絶品、『ボーイズ・ドント・クライ』のヒラリー・スワンクもがんばっております。オススメ…っていうか、オリジナルのノルウェー版が見たいです。

☆☆★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2002-Jan-10;

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