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 Movie Review 2002・11月6日(WED.)

凶気の桜

 窪塚洋介が原作小説に惚れ込んで、J- ラップのキングギドラのリーダー/ K DUB SHAINE に音楽、キングギドラのプロモーション・ヴィデオを手がけた薗田賢次に演出を依頼、東映に企画を自ら持ち込んで実現したのがこの映画である。ババーン!

 生まれも育ちも渋谷の主人公・山口くんは幼なじみと「ネオ・トージョー」という愚連隊(?)を結成、白の特攻服に身を包み、渋谷のチーマーと喧嘩に明け暮れる日々。しかし、右翼系暴力団に目をつけられ、利用されていく…というお話。

 自称ナショナリストのヤングが、渋谷でチーマーをコテンパンにやっつけまくるのならさぞかし素敵な映画になったと思うのですが、ヤングは結局大人の手のひらで踊るだけみたいな話になってしまって面白くないのですね。ナショナリストは死なねばならぬのか? 「ナショナリズムとは若さゆえの暴走である」とまとめたことにはなりはせぬか。

 脚本が、80 年代『野獣死すべし』『処刑遊戯』などの松田優作主演作でおなじみの丸山昇一だからか、「東映プログラム・ピクチャー」の雰囲気が漂っております。それも、主演男優の人気におんぶにだっこなプログラム・ピクチャー。というと、ケナしているようですけどそうでもなく、話がつまらない、演出もピンボケ気味、助演陣もパッとしない、…ただ、窪塚洋介の好演のみが引き立っている、ということで、窪塚ファンの方々はボーッと窪塚洋介の活躍シーンのみ見ていればよいという楽ちんな映画に仕上がりました。窪塚ファンはバチグンの必見。

☆☆(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2002-Nov-06;

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