ラット・レース
ベタなギャグ映画といえば、『キングピン ストライクへの道』『メリーに首ったけ』『ふたりの男とひとりの女』のファレリー兄弟、ということになるんですが、一昔前なら『フライング・ハイ』『トップ・シークレット』『裸の銃(ガン)を持つ男』の、デビッド・ズッカー、ジム・エイブラハムズ、ジェリー・ズッカーの製作・脚本・監督トリオ(“ZAZ”と略すと映画通っぽいぞ)だったのです。
最近は個別にアレコレ監督しておりますが、そのうちの一人、ジェリー・ズッカーが「ファレリー兄弟ばかりにいい思いさせてたまるか」と、久々ベタベタのギャグ映画に挑戦です。
ジェリー・ズッカーは、単独監督として『ゴースト ニューヨークの幻』などの非ギャグ映画(いや、ギャグ映画かも)でヒットを飛ばしてますが、そもそもギャグセンスに乏しいのじゃないか? 今回も、ギャグの爆発力は ZAZ 時代に到底及ばず、ファレリー兄弟の足元にも及んでいないですね。とはいえ、長めの 112 分を退屈させませんし(やっぱり長いけど)、場内観客 10 数人のうちの 2 人(私と、4 席離れた席の白人の方)を 10 回ほど爆笑させましたので、まあ良しとしましょう。
お話しは、何でもかんでも賭けの対象にするホテル王が主催する、「ルールは一つ、それはルールがないことだ!」っつうですね、ラスベガスからニューメキシコのシルヴァーシティまでの賞金 200 万ドルを賭けたレースのドタバタ。いやはやメチャクチャ面白そうですね。
レースに参加するのは『ゴースト』でアカデミー助演女優賞を取らせてもらってズッカー監督には並ならぬ恩義を感じてるはずのウーピー・ゴールドバーグ、出てるだけで嬉しい黒人俳優キューバ・グッティング・Jr 、『オースティン・パワーズ・デラックス』で Dr ・イーヴルの息子を演じたセス・グリーン、『Mr ・ビーン』ことローワン・アトキンズ、『モンティ・パイソン』の一員ジョン・クリースなど、ワクワクするほど小粒なスターが勢ぞろいです。
ラストなど、怒り心頭に発すほどヌルくてね。でも中盤、「このチョイ役を演じられるのはこの人しかいない!」と思わずうなった某女優のカメオ出演や、某ヒット曲で知られる某バンドが登場したりしますので、なんか得した気分であります。
ベタなギャグ映画好きにはオススメ、っていうかベタなギャグ映画好きはほっといても見に行きますから、誰にすすめればいいのか。何でも再結成ブームの昨今、ZAZ 再結成待望っつうことで一つヨロシク。
BABA Original: 2002-Jan-31;