人間の屑: Cafe OPAL レビュー

Movie Review　9月7日（FRI.）

人間の屑

　その昔、角川映画『人間の証明』（だったか？）の宣伝で「読んでから見るか、見てから読むか」という文句がありましてな、さてこの『人間の屑』、読んでから見た人には詰まらないこと甚だしい、と思うのです。

　かくいう私も「読んでから見た人」なのですが、町田康氏の原作は、私「世の中にこんなに面白い小説があろうか？（いや、無い）」と独りごちたくらいに面白い小説でして、この映画『人間の屑』、読んでから見る人が面白く見る可能性は殆ど、無し、始めから負け戦必至の映画化だったと言えましょう。

　翻って「見てから読む人」にとってはどうか？　と、いうと「なんだかよくわからない」映画だったのでは。参考までに映画瓦版・服部弘一郎氏のレビューを読みますと、憶測ですがこの方は原作を読んでおられず、「ホントにワケのわからない映画を見た」感全開だったりします。

　で、「見てから読む人」は妙な先入観を得てしまってて原作の面白さを 100 ％味わえなくなってしまうわけで、これはこれで不幸です。まだしも「読んでから見る」方がマシだ、と、「読んでから見た人」は諦めておくのが吉でしょう。

　と、まったくダメかと言いますとそうでもなく、最近メキメキ良い感じのムラジュンの本格主演作であり、「餃子いかがっすかー！」と絶叫演技も素晴らしく、この主人公の演じ難さといえば、『ねじ式』の映画化以来の難しさなのですが、ムラジュン頑張っております。

　うーんと、オススメですが、原作の方が 10^{10000000000000} 倍オススメです。

BABA
Original: 2001-Sep-07;