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Movie Review 12月11日(TUE.)

ポワゾン

公式サイト: http://www.poison-jp.com/

 革命以前、植民地時代キューバ。アントニオ・バンデラス(通称:バンちゃん)は、コーヒー豆会社社長、若き富豪ですが独身。周りが「嫁取れ、嫁取れ」とせっつくものですから「しゃあないなー!」と、一度も会ったことがないアメリカ女性ジュリアと電撃結婚することに。

 ジュリアがキューバに着いたその日にさっさと式をあげちゃおう、「愛? ふふん、そんなもん要らんよ、嫁は誠実で子供が産めればそれでケッコーさ」と、たった一枚の写真を頼りに彼女を探しに港へ。

 写真の彼女は特徴のない、まあ並の容姿なんですけど、現れた女性は何とアンジェリーナ・ジョリーだった! バンちゃん動揺を隠せず曰く「あんた? うーんと、写真と全然違うんですけど…。」

 アンジェリーナ答えて曰く「うふふ。美人のアタシの写真を送ったら、容姿だけで判断されちゃうでしょ? ホントのアタシを見て欲しいの。よろしくね!」ですって。自らを「美人」と規定するこの女、怪し過ぎ!

 で、大方の予想通り、アンジェリーナはとんでもない悪女、ファム・ファタールってんですか? で、富豪バンちゃんは骨の髄までしゃぶられ尽くす、というお話し。何処かで見た話だなーと思っていたら、ウイリアム・アイリッシュ(別名コーネル・ウーリッチ)『暗闇へのワルツ』が原作、すなわちフランソワ・トリュフォー監督『暗くなるまでこの恋を』と同じ原作でございます。

 トリュフォー版ではクール・ビューティ世界一のカトリーヌ・ドヌーヴと、下唇 No. 1 ジャン・ポール・ベルモンドの夢の顔合わせ、ベルモンドが金持ちって何か似合わんのですが、今回、手玉に取られる富豪役バンちゃんも似合わないこと甚だしいのでした。これがお人好しトム・ハンクスならピッタリってところでしょうが、ピッタリ過ぎても「見ていて辛過ぎ!」なので、タフなバンちゃんがちょうどいいかも。

 まあ、いつものバンちゃんなら、アンジェリーナの正体が割れた時点で「ふんぬー(憤怒)! 許さん!」とマシンガンを持ち出し、方や『トゥームレイダー』で二丁拳銃をマスターしたアンジェリーナとガンファイトへなだれ込むところですが、今回バンちゃん耐えに耐え、アンジェリーナを愛し続ける! 泣かせるぜバンちゃん! 股間をがっしり握られてしまった男の悲哀がにじみます。

 それはともかく、きわめて映画的な「美女と犯罪」、ノリにノってるアンジェリーナ最高! 無茶苦茶エロいです。クール一筋のドヌーヴも良いですが、性悪にしか生きられぬ宿命に悶えるアンジェリーナに惻隠の情を催さざるを得ません。泣ける!

 監督・脚本はマイケル・クリストファー。全然知りませんがアンジェリーナがゴールデン・グローブ賞を受賞した『ジーア/悲劇のスーパーモデル』(98)で監督デビューした人だそうで。オープニング、アンジェリーナの幅 3 メートルはあろうかという唇のドアップから映画を語り始める、など、なかなかよろしいです。ラストは蛇足か?

 キューバのコロニー趣味もよろしく、見どころ多数にて意外とオススメです。…ってか、アンジェリーナ・ファンは思わず DVD 買ってしまうね。きっと。

BABA Original: 2001-Dec-11;

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