漂流街
「SIGHT」という雑誌を読んでいると、どうやら最近日本映画が面白いらしい。その面白さを支えている代表的な監督は黒沢清、三池崇史だそうで。その、三池監督の新作。『DEAD OR ALIVE/犯罪者』『サラリーマン金太郎』はなかなか面白かったけど、今回はどうか? 面白がっている人も多いみたいなので、日本映画はやっぱり面白いのか? 4 、5 年前の方がずっと面白かった気がするが。
さてその三池監督が『不夜城』の馳星周の同名小説を映画化。まず、オープニングからしてわからん。どう見てもアメリカのネヴァダあたりの砂漠地帯に「埼玉県なんたらたら」とテロップが流れ、画面手前には「ポンカレー」のビルボード。はぁ? って感じ。逆ならわかる。埼玉県で撮影して「ニューヨーク」と字幕で出すとか。資金が苦しい苦しいと言われがちな日本映画で、こんな阿呆なギャグのためにわざわざアメリカ・ロケしていいのか? こういうのが若者にはウケてるのか? ワシにはわからん。
主人公マーリオは、ブラジルからヘリコプターで逃亡。ヘリから降りてバスを襲う。ここでも疑問。バスを襲っている間になぜ、ヘリコプターのパイロットは逃げないのか? 不思議。ワシにはわからん。そもそも何故、マーリオがバスを襲うのかが謎。
マーリオは日系ブラジル人、ヒロインのミッシェル・リーは香港人。いかに日本に不慣れな方々とはいえ、行動がアホ過ぎませんか? マーリオとヒロインは歌舞伎町の外国人コミュニティに潜伏。及川光博扮するチャイニーズ・マフィアのボスが、このミッシェル・リーをずっと探してるんですな。で、ミッシェル・リーは変装するでもなくノコノコ買い物に出て案の定捕まってボコボコに殴られる。殴られた瞬間、空中で 3 回転くらいするのは、さすが香港人! なんだけど、とにかく、スキが多過ぎないか。主人公の目的が全然わからん。目的がないから「漂流街」。なるほど!
しかしながら久々の映画出演となった吉川晃司が、小林旭っぽくてたいそうよろしい。三池監督の次回作『天国から来た男たち』では主役を演じるらしいので、これには期待、…していいのだろうか?
スキが多くても見ている間は全然気にならない映画もあるし、やたら目につく映画もある。その違いはノリの問題。ノリの良さに自信がある方にはオススメ。
BABA Original: 2000-Nov-26;
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