Theater Review 2000・7月14日(FRI.)
シーズ・オール・ザット
かのアメリカでは、高校卒業式前夜あたりに「プロム」と呼ばれるダンスパーティを開き、そこでプロムキング、プロムクイーンを投票によって選ぶ、という身の毛もよだつ野蛮な風習があるらしい。『キャリー』のように、プロムの異常さを訴えた映画も作られているが、21 世紀を間近に控えた今日もまだ続いているようだ。大抵はスモールタウンが舞台になっているが、田舎特有のものなのでしょうか? って気にしてませんが。
さて、プロムキング確実とウワサされるスポーツ万能、生徒会長、男前、そこそこ金持ちのオール・アメリカン・ボーイが、クイーン確実といわれるボインの彼女にフられてちゃった腹いせに、友人と賭をする。「彼女がクイーン確実と目されていたのは、オレ様とつきあってたからだ。どんなイモ姉ちゃんでもオレ様がつきあってやれば、クイーンになっちゃうぜ」。そこで選ばれたのが、チビ、メガネ、美術オタクの女の子であったが…、と、設定を聞いただけで話の展開をすべて了解できる、ステレオタイプというか物語原型というかアメリカ映画というか。
いや、こういう基本をガッチリおさえて頭を弛緩させて見るための映画であるから、これでいいのだ。熱々でお脳がとろけたカップルには最適のデートムーヴィーである。かような映画を日曜日の昼下がりにたった一人で見に行っているボクって何? 何でもないです。
現代アメリカスモールタウンのハイスクール事情がかいま見れるのでオススメ。予想した、それ以上でもそれ以下でもない質であり、良心的な映画と言える。あーおもしろかった(本当)。
BABA Original: 2000-Jul-14;
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