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Book Review 2000・8月19日(SAT.)

ブリジット・
 ジョーンズの日記
 〜きれそうな私の12ヶ月

ヘレン・フィールディング著、ソニーマガジンズ刊

「世界中の女性が読んでいるベスト・セラー小説」として 98 年秋にようやく日本にもお目見えした『ブリジット・ジョーンズの日記』、本国イギリスでは「Very Bridget Jonesy(とてもブリジット・ジョーンズ的)」という新しい言い回しさえ生んだという人気作だ。待ちに待ったこの小説の続編が、『春夏篇』『秋冬篇』と 2 冊同時に登場。

 ブリジットはロンドンで一人暮らしをする 30 代のシングル女性。ダイエット・禁酒・節煙の課題はことごとく達成されず、47 冊の自己啓発本を愛読して常に「内面の安定」をはかろうとするも現実的および妄想的に始終パニックとトラブルを抱える、愛すべきキャラクターの持ち主。

 だのに。『春夏篇』の冒頭はこうだ。「ばんざーい! 荒れ野をさまようような不毛な歳月は終わった。もう 4 週間と 5 日も大人の男性との機能的な関係がつづいている。」

 なんてこと! どうやら、ようやくゲットした彼氏:名の知れた敏腕弁護士マーク・ダーシーとよろしくやっているらしい。むむむむ、それじゃぁ面白くないのよ、ブジリット! と思わず不服を漏らそうとした矢先に(やっぱり!)、キリンのような長い脚でマークを挑発する女:レベッカが現れて…あれれ、あっというまに「セックスレス継続時間 1503 万 3600 秒(天地の大変動に匹敵する危機)」に陥るハメに。

 ほかにも、愛するマークのベッドルームで東洋人の少年(ただし素っ裸)を目撃してしまったり、『インディペンデント』紙でコリン・ファースのインタビューを取るチャンスに恵まれたり(ただし飛行機に乗り遅れ、2 時間の遅刻)、フラットに大穴を開けられたり、タイで夏のバカンスを過ごしたり(ただし最後はどういうわけか…!!!)、クリスマスに謎のプレゼント(ただし中身は銃弾)を送られたり。ブリジットのシングルライフにおけるしっちゃかめっちゃかぶりは健在! さすがっ。

 って喜んでいたら、私にも来週からタイ行きの話が舞い込んだ。ああ神様、どうか私の身に「〈ワンダーブラ〉とサロンをつけて積み上げられたマットレスの上に立ち、〈タンパックス〉をマイク代わりにして」バンコクの女子刑務所で『ライク・ア・バージン』を歌わなくちゃいけないような「Very Bridget Jonesy」な事態が起こりませんように。ハクナ・マタタ!!

maki Original: 2000-Aug-19;

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