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Text by 小川顕太郎
2005年12月30日(Fri)

死の商人サンズン
etc

 サンズン来店。サンズンは昨日もやつてきて早速オパールオリジナルTシャツ“SPARKLE”を買つて帰つたのだが、それは良いとして、今日はやつてくる常連さんたちが「お、新しいTシャツができたんですね」と言ふのに対して、「ええ、いいですよ。ボクも買つて以来、毎日着てゐます」「すでに100枚ほど購入しました」などと舌先三寸で答へまくるので、みんな「いい加減なやつやなー」と呆れかへつてゐた。

 こんな薄つぺらな舌先三寸で営業成績がいいのだから、世の中わからないものである。ちなみにサンズンはクルマのセールスマンをしてゐるのだが、さういへば映画『ロード・オブ・ウォー』で武器商人のユーリが、他人から武器を売ることを非難された時に、「クルマのセールスマンはどうなる。あいつらの方がよほど“死の商人”だ」と答へるシーンがあつたけれど、つまりはサンズンは“死の商人”といふ事になるな。

「さうなんですよ。自分でもよく分かつてゐます。ホントは自動車ではなく、自転車が売りたいんです」

 ホンマかいな。でも、そんな事を言つてゐるやうぢやダメだな、史上最強のセールスマンにはなれない。自分の弱さに負けて自滅する、ユーリの弟タイプだ。

「さうなんですよ。実はボク、心が弱いんですよ。繊細、といふか。だから毎日がホント苦しくつて」

 ううむー、舌先三寸な奴め。

 あ、さうか! 現在、日本の自動車業界がもの凄く好景気なのは、アメリカの“死の商人”が大活躍してゐるのに対応して、日本の“死の商人”も大活躍してゐるからか。

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