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Text by 小川顕太郎
2005年12月20日(Tue)

キング・コング
映画

 TOHOシネマズ二条にて、『キング・コング』(ピーター・ジャクソン監督)を観る。実を言ふと私は今日はジムに行く日だつたのだが、初めて! サボつてしまつた。といふのも、昨日のヤマネくんとババさんの興奮の仕方が凄かつたからで、さらにショーヘーくんまで二人に輪を掛けて騒いでゐる始末。これは、すぐにでも観とかなアカンなー、と思ひ、泣く泣くジムをサボつて映画館に向かつた、といふ次第なのである。さて、観ました。確かに凄かつた。面白かつた。3時間といふ上映時間が、半分にも感じないほどだつた。が…まァ、3人が言ふ程の衝撃は受けなかつたかな。他の映画が霞む、などと言ふこともなかつた。個人的には、余裕で『カンフーハッスル』の方が上だし。

 さうですね。確かに凄いです、CG。ここまできてしまつたのか、といふ驚きはあります。一際高いキング・コングの住処から眺める髑髏島の全景とか、それに呼応するエンパイアステートビルからのNYの全景とかは息を呑みましたし、キング・コングと恐竜たちのバトルは、な、な、なにか凄いことが行はれてゐる!!! と、ほとんど呆気にとられるぐらゐ、圧倒されました。しかし、元々特撮やアニメにそれほど興味のない私にとつては、ま、それはそれ、といつた感じ。うん、さうですね。これはもうほとんどアニメですね。だつて、人物以外はほとんどCG、といふ事は、コンピューターで画をかいてゐるといふ事ですから。アニメ、あんまり興味がないんですよね、私。それは何故か、といふ事を一寸書いてみませう。

 アニメ、あるひはこのやうにほとんどがCGで作られた映画といふものは、画のほとんどの部分が管理されてゐる訳です。キチッと計算され、構築されてゐる。人工的に作られてゐる。つまり、ノイズが少ない。対して、カメラによる実写といふものは、ノイズに満ちてゐる訳です。どんなにキチンと画面構成を考へる監督による作品でも、もの凄い量のノイズに満ちてゐる。カメラはアナログですから、世界をほとんどそのまま(つまりノイズごと)撮してしまふのですね。で、私はやはりこのノイズを偏愛してゐて、ノイズをみる(触れる)ために映画を観てゐる、と言つても過言ではない程なので、ノイズの極端に少ないアニメやCGものにはあんまり惹かれない、といふ訳です。どうも無味乾燥な感じがしてね。趣がない。子供騙し、といふか。やはり、人智なんて大したことない、といふ気持ちが私には強いです。CGで作つた世界なんて、所詮人智の範囲ぢやないか、生の世界の方が遙かに豊かだ、と、思ふ訳です。ノイズとは、人智を越えたものの謂ですよ。

 あ、時間切れだ。続きは明日にでも。

公式サイト
http://www.kk-movie.jp/top.html

Comments

投稿者 gmind : 2005年12月25日 12:04

すいません。ちょっと流れてきて読ませていただきました。
なるほどノイズ論というのはなかなか面白いですね。

昨日今年のベスト10は何かなとリストを見ていて
《カンフ・ハッスル》が1位、《キング・コング》が2位かなと思ったところです。

投稿者 店主 : 2005年12月27日 00:48

gmindさん こんにちは。

さうですね。「カンフーハッスル」もCG使ひまくりでしたが、使ひ方が”精緻な現実世界の復元を目指さない”ぶん、ノイズがあつて良かつたですね。「キングコング」のCGは確かに凄いんだけど、一寸息苦しかつたかな、といふのが正直な感想です。ちなみに私の好きなCGの使ひ方は、「HERO」とかです。

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