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Text by 小川顕太郎
2005年12月05日(Mon)

子狸俳句
俳句

 次回の俳句チェンバーを、テラリーは欠席するといふ。なんでも卒論の提出がもうすぐなのださうだ。それなら仕方ない。が、もしなんなら、作つた句をとりあへず提出する、といふ形で参加してもいいよ。

「いえ、全く出来てゐないんです」

 さうか。それなら、仕方がない。が、もしなんなら、私が代はりに作つて、子狸(テラリーの俳号)作として提出しておいてもいいけど。

「ええ? たとへばどんな句ですか?」

 うーん、そんなん、たとへば、“卒論のさびしさに堪へ炭をつぐ”とか。あるひは“フロイトを読むやしぐるる河明かり”とかな。

「結構いいですね」

 だろ? こんなん、いくらでも出来るぞ。えーと、“頭の中で白い冬野となつてゐる”とか。

「うーん、それは俳句らしくないですね」

 何を言つてゐるんだ。これの元の句は名句とされてゐるんだぞ。高屋窓秋だ。

「へ? これ、もしかしてみんな元の句があるんですか」

 当たり前ぢやないか。言葉ひとつ変へただけのパロディだよ。

「やめてください! そんなものをボクの句にするのは!」

 いいぢやないか。子狸なんだし。化かしかたもこの程度、といふ事で。

「それなら、ちやんと自分で作ります!」

 そんな事してゐる暇があつたら、卒論頑張れよ。

「……」

 あ、また出来た。…“卒論書いてわたしも一人”。うん、これにしやう。

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