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Text by 小川顕太郎
2005年12月02日(Fri)

『フォー・ブラザーズ』について
映画

 ババさん来店。『フォー・ブラザーズ』最高でしたねー! といふ話題で盛り上がる。「それにしても『フォー・ブラザーズ』は今日で打ち切り。早すぎる。間違ひなく、今やつてゐる映画の中ではトップレベルの面白さの映画なのに。」

 そもそも宣伝もあまりやつてゐませんしねェ。ビッグ・ネームが出てゐないと、売り方が分からないんぢやないですか。マーク・ウォールバーグ、ビックリする程よかつたですけど、マーク・ウォールバーグぢやあ、ブラピやアンジョリーナ・ジョリーに敵はないですからねェ、知名度で。

「日本で今、映画を売つてゐる連中が情けないんだな、多分。勉強不足だらう。たとへば、この間DVDで『スタスキー & ハッチ』を観ましたが、凄く面白かつたですよ! でも、これ日本未公開でせう。売り方によつては、結構ヒットするはずですよ。ボクぐらゐから上の世代は、テレビドラマで『スタ & ハチ』を観てゐた人も多いだらうし。なにより、面白い! 日本で公開されてゐる映画のほとんどは、これより下らないですよ。……多分、知らないな、『スタ & ハチ』が昔テレビドラマでやつてゐた事を。やはり、勉強不足だ」

 ところで、『フォー・ブラザーズ』では、4人を育てたマーサ・エブリンが元ヒッピーだつた、といふ所で私は少しズッコケタんですけど。

「さうですか? ボクは結構面白い設定だと思つたけど」

 まァ、面白いと言へば面白いんですけど、やはり私の中ではヒッピー=社会不適合者・無責任・自分勝手、といふ偏見がありますから。『ダーティー・ハリー』のスコルピオみたいなイメージですよ、極端ですけど。だから、あんな立派な人が元ヒッピーだつたなんて、と意外に思ひました。ま、確かに当時は大量にヒッピーがゐたんで、中には立派な人もゐたのは当然なんでせうが。うーん、にしてもやはり、違和感はあるな。あれは、たまたま若い時にヒッピー思想にかぶれた、といふだけであつて、キリスト教の方ぢやないですか、あの慈愛精神は。

「にしても、随所にトンチが効いてゐたぢやないですか。素晴らしかつたです。展開が読めない! と感動しました。案外、展開の読めない映画ッて少ないですからね、昨今」

 確かに、ラストの怒濤のやうな展開は凄かつたです。映画の根本テーマとも深く絡んでゐましたし。やはり、階層性がテーマなんですよ。だから全ての階層性を剥ぎ取つた、生の個人同士としてのあの氷上のファイトシーンは素晴らしかつたです! 感動的でした。

「とにかく、何とかスクリーンで観ることができて良かつたですね」

 ホントです。これで安心して年が越せます。

公式サイト
http://www.fb-movie.jp/top.html
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