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Text by 小川顕太郎
2005年11月18日(Fri)

バー
etc

 ババさん来店。さういへば東京には映画『シン・シティ』をコンセプトにしたお洒落バーがあるさうですよ、と私が言へば、「う〜ん、誰か自爆テロでも仕掛けませんかねー」としみじみ言ふ。

「ハッハッハ、いや、冗談、冗談。しかし、東京がさうくるなら、当然こちら京都でも何かやるべきでせう」

 ほう、何をやりますか?

「それはもちろん! 『バー 三丁目の夕日』ですよ!」

 ガーン! やはりそれですかー! ……ぢや、当然メニューは“カレー”ですね。

「あと、腐つたシュークリームとか」

 考へてみれば、こちらにはオオヤさんがゐるから強いですよね。オオヤさん、茶川竜之介にソックリだし。茶川竜之介のいれるオオヤコーヒー、とか宣伝すれば大流行ですよ。

「となれば、“スカ”だらけのクジ引きも作らなければなりませんね」

 あと必要なのは、建設中の東京タワーに壊れたテレビ。このバーの基本コンセプトは“マスメディア批判”といふ事を鮮明にする必要がありますからね。テレビに代表されるマスメディアが家族から団欒を奪ひ、地域共同体を破壊し、美しい夕日を消滅させてしまつた、と。だからこのバーでは、みんながワイワイと虚構の三丁目共同体を作る訳ですよ。

「飛行機を飛ばしたりしてね」

 自動車を修理したり。

「あ、冷蔵庫はどうするんですか? やはり、氷を入れて冷やすやつ?」

 ううーん、それは難しいところです。ピエール瀧が来てくれるかどうか。

「納豆売りの子どもも必要ですよ」

 うん、ぢや、納豆はその子から買ひませう。

「病気になればアクマ先生を呼べばいい訳だし、お酒が飲みたくなれば小雪のやつてゐる居酒屋へ行けばいい。完璧ですね」

 さうですね。……で、一体何の話をしてゐたんでしたッけ?

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