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Text by 小川顕太郎
2005年09月16日(Fri)

キャンペーン始まる
憂国

 ババさん来店。「先日見た筑紫哲也の番組は酷かつたですよー! フィンランドのレポート、といふ体裁をとつてゐるんですが、実は消費税値上げのキャンペーン番組なんです。フィンランドの子供たちは世界一学力が高いさうなんですよ。で、如何にフィンランドの教育機関や図書館などの公共施設が優れてゐるか、といふ事を散々言つた後、フィンランドでは消費税20%、と、番組の最後でさりげなくつけたして、“庶民はいつの時代でもどんな国でも税金が高いと文句を言ふもんだ”といふフィンランドの人のセリフを挿入、消費税値上げは悪い事ぢやない、といふ事を暗に言つてゐるんです。小泉が選挙に勝つた途端にこれかー! と、マスコミのあまりの政府の手下ぶりに呆れかへりました。」

消費税15%による年金改革』橘木 俊詔(東洋経済新報社)といふ本が山積みになつてゐたんですよ。パラパラと立ち読みしたんですが、どうも消費税を15%にすると年金未納問題や少子高齢化問題が解決する! といふ本のやうなんです。ま、年金を税金として強制的に徴収してしまへ、といふ事なんでせうが、これは酷い! と思ひましたね。とにかく今の状態でさらに増税を考へる神経が酷い。この著者は京都大学の助教授らしいんですが、これだから大学教授(助教授)といふ体制側の人間はダメなんです。過分な給料と特別待遇で、本人はヌクヌクと暮らしてゐますからね。庶民の苦しみなんて、絶対に分からない。

「さうですね。これ以上の増税は絶対に許されませんよね」

 これ以上の増税は全く必要ありません。アメリカや中国に貢いでゐる金、特殊法人などでジャブジャブ無駄遣ひしてゐる金、官僚・役人の多すぎる給料や特別待遇、天下りなどの無駄金をカットすれば、増税なんかしなくても十分やつていけるんです。それを、自分たちの利権だけはしつかり握つておいて、庶民からの税金だけでやつていかうとするから、増税が必要になるんです。増税を言ふ奴らはみんな政府の手下、アメリカの犬ですよ。

「でも、すでにキャンペーンは始まつてゐますからね。徐々にキャンペーンが強まつていつて、数年後には“消費税値上げもやむなし”みたいな雰囲気が世間に広まるんぢやないでせうか。さうなると…」

 お、怖ろしい。一体、どうやつて闘へばいいんでせうか。

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