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Text by 小川顕太郎
2005年09月09日(Fri)

パンプアップ!
フィットネス

 筋トレを始めて3ヶ月目に入つた。とりあへず筋トレの効果が現れるのは3ヶ月後以降、と言はれてゐるので、それまでは身体に何の変化が現れなくても我慢して焦らないやうにしようと覚悟を決めてゐたのだけれど、さすがにほんの少しだが、身体に変化が現れてきた。それまでは洗濯板のやうに平板で、あばら骨だけが見えてゐた私の身体に、うッすらとだが筋肉の形が見えてきたのだ。僅かに陰影ができてきてゐる。一寸ばかし人間らしい(?)身体になつてきたな、と、思はず鏡に映して見るやうになつた。鏡の前に立ち、陰影がよく見えるやうに身体の角度を色々と変へたり、グッと筋肉に力を入れてみたり……なんか、気持ち悪いですね。

 まァ、それはともかく、顕著に分かるやうになつた事もある。それはいはゆる“パンプアップ”が分かるやうになつてきたのだ。“パンプアップ”とは、筋トレをした後に、鍛へた筋肉がパンパンに膨れあがることである。筋トレをすると、筋肉に乳酸などの無酸素性代謝物が溜まり、筋肉の中が高濃度になるので、浸透圧の作用で水分が筋肉内に流れ込み、筋肉が膨れあがるのだ。もちろん、しばらく経てばこの“膨らみ”は消えるのだけれど、これを繰り返すことによつて、筋肉のDNAが“このストレスに耐える強い筋肉が必要です”といふ信号を脳に送り、筋肉を増強するホルモンが分泌されて筋肉が太くなる、といふ訳だ。で、パンプアップだが、たとへば腕を筋トレでガンガンに鍛へると、筋肉が熱くなつて、パンパンに膨れあがるのが分かる。思はずその筋肉に触れて、その熱さ・太さをしみじみと感じ、味はつて、ニヤリと笑ふ……き、気持ち悪いな、我ながら。

 ちなみにかのアーノルド・シュワルツネッガーは、パンプアップはセックスより気持ちいい、と言つたさうだが、さう言ふ気持ちも分からないではない…て、事はありません。シュワルツネッガー、気持ち悪いです。

 私も別に、L. L. COOL Jになりたい訳ではありません。

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