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Text by 小川顕太郎
2005年09月02日(Fri)

妖怪大戦争
映画

公式サイト: http://yokai-movie.com/

 実を言ふと昨日は映画の日だつたので、MOVIXにて『妖怪大戦争』を観たのであつた。その感想を記す。…いやー、なかなか面白かつたですよ、“分かつてゐる”感じがプンプンして。なんと言つてもプロデュースしてゐるのが、水木しげる・荒俣宏・京極夏彦・宮部みゆきの「怪」チーム。妖怪学においては最高峰に位置する人たちでせう。さらに監督が三池崇史となれば、「そこそこ」「なかなかに」面白い妖怪映画ができない訳がない。そして実際、「そこそこ」「なかなかに」面白い妖怪映画であつた、といふ訳だ。

 そもそも妖怪といふのは、近代がとりこぼしたもの、近代から外れたもの、である。それを“映画”といふ近代装置で再現するには、正攻法でやつてもダメである。外さなければ、映画としての完成度を無視しなければ、ならない。そこら辺の機微を「怪」の人たちはよく分かつてゐるし、また三池崇史は、意識してかしないでか、いつも“外れた”“映画としての完成度を無視した”映画を作つてゐる監督なので、この最強の取り合はせによつて、「そこそこ」「なかなか」の、つまり妖怪映画としては最高のものが出来上がつたといふ次第だらう。

 キッチュ感溢れる妖怪の造形や映像感覚、随所に見られる破綻振りとバカバカしいギャグ、そして無化されるとはいへ、一本筋の通つたストーリー展開。さらに映画の各所に散りばめられた名セリフの数々。「過去を捨てた人間に、未来はないよ」ドーン! 「復讐は人間の証、私はそこまで穢れたくない!」ドドーン!! 「戦争はイカンです。腹が減るだけです」ドドドーン!!! …素晴らしいです。2時間強、タップリ楽しめました。

 それにしても、「怪」のメンバーもそれぞれ映画に出てゐるのだけれど、これがまた! …宮部みゆき、普通のをばさん過ぎてクレジット見るまで分からなかつた! 京極夏彦、太り過ぎてゐてこれもまた分からず! 荒俣宏、妖怪メイクの方が人間に見える…。そして水木しげる、やはりこの人は大妖怪であつたのか、と、思はずスクリーンに向かつて頭を垂れたのでした。

 日本人なら必見の映画。個人的には冒頭の“くだん”でもう万歳! オススメです。

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