パゾリーニ映画祭はじまる
とうとう待望のパゾリーニ映画祭が、みなみ会館ではじまった。去年からやるやると言われていてズーっと首を長くして待っていたやつだ。これに行かなきゃ年は越せない。で、さっそく初日の今日、行ってきました。
本当は全作品観たいのだけれど、それは無理だろう。私が今まで観たことのあるパゾリーニ作品といえば、『アッカトーネ』『奇跡の丘』『豚小屋』のわずか 3 作品と、「生の 3 部作」のどれだかをテレビで断片的に観ただけだ。しかしそのどれもが強烈に面白く、またパゾリーニについて書かれた評論・批評のたぐいからも強い刺激を受けていたので、1 本でも多くの作品を観たい。うう〜ん、どないしょ。って、とりあえず観れるもんから観るしかないわな。それで今日観たのは『テオレマ』と『デカメロン』の 2 本。予想通り、素晴らしかったです。
まずは『テオレマ』。まあ、これ観てないと話にならないよねえ、というぐらい有名な作品で、私もストーリーとかはもう観る前から全部知ってるんだわ。スチール写真とかも何枚も観たことがあるし、ああこれこれ! この場面! とか思いながら観てました。それでも衝撃力はあった。私の大好きな『豚小屋』と同じテイストを持った作品なのだけれど、なんというかゴリッとした感触、凶々しいというよりは透明な「野蛮さ」を感じる。確かに寓意性が強く、ある意味わかりやすい作品なんだけれども、そういった分かりやすさに回収されないものがある。なんといってもテレンス・スタンプのかっこよさよ! 『豚小屋』のピエール・クレマンティにはるカッコヨサである。未見の人は必見でしょう。
次は『デカメロン』。ああ、昔テレビで観たのはこれかな。これと『アラビアンナイト』あたりがゴッチャになってるか。という話は置いといて、注目すべきは出演者の顔だ。パゾリーニは、女優はともかく男優には素人の若者を多く起用している。下層階級の不良青年達だ。こいつらがほんとにいい。顔が凄い。ニネット・ダヴォリとかフランコ・チッティとか、ほんまに凄い顔してるもんなあ。でも何といってもジョット役で出演しているパゾリーニ本人の顔がいいのだ。かっこよすぎ。
これで 2 本か。むうう、あと何本観れるか。『アポロンの地獄』『王女メディア』『ロゴパグ』あたりは絶対観たい。そしてこれだけははずせない『ソドムの市』。あああ、でも仕事が! 誰か代わりに働いてくれい!
小川顕太郎 Original:2000-Nov-27;