なんとなく出かける
最近は店も忙しいし、このサイトも盛り上がっていて、さらに年末に向けて様々な企画があったりでなんだか慌ただしく落ちつかない。だからたまの休みは家でゆっくりと過ごしたいというのが私の意見なのだが、トモコは違う。気分転換に是非ともどこかに出かけたいという。今日は雨も降っているし家で本を読むなりビデオを観るなりしたかったのだが、協議の結果、出かける事に。トホホ。もう最近は全く本も読む時間がないし、ビデオも人から借りるばっかりで全然観ていない。しゃあないなあ、と思いつつもなんとなく梅田へ。
わが家の狭い部屋には、いまだ読んでない本が山積みである。だから、もうちょっとこの未読の本の山が減るまでは行くまいと決めていた古本屋に、行ってしまった。久しぶりに行くともう欲しい本ばかりで困る。しかし買ったってどうせ読む時間はないし、お金もないし、だいいち重いのでなるべく買うまいと悩みに悩んで、でも結局 7 冊買ってしまった。平岡正明の「黒い神」やデイヴィッド・ロッジの「小説の技巧」、金原克範の「〈子〉のつく名前の女の子は頭がいい」など。重い。なんとなく腹がたってきてロッカーの中に他の荷物ごと放り込む。
その後、阪急百貨店へ行くと、BBC フェアをやっている。各階にテレビモニターが備え付けてあって、テレタビーズが踊っていたりグレアム・チャップマンが暴れていたりして、イギリスっていいところだなあと思ったりする。京都をイギリス化しようかしらん。
ヤンマーディーゼルのビルの前でオイシンとばったり会う。少し離れた所から「ああ! トモコさ〜ん!! トモコさ〜ん!!」と騒いでいる奴がいるので誰かと思えばオイシンだったというわけだ。ノートブックパソコンを買った帰りらしく嬉しそうだ。それだけではなく可愛らしい女の子を連れている。「これ友達のハルサメさん。別にただの友達っすよ」とオイシン。「そうそう全然関係ないですから」とニッコリ笑うハルサメさん。なるほど。とにかくオイシン、別にとりはしないからオパールにノートブックパソコンを持って来なさい。借りるだけだから。
イタリア料理屋で夕飯を食べる。隣の席のおばさんが、いちいち店員に文句を言っていて鬱陶しい。横で見ていると分かるのだが、この人は別に本気で怒っているわけではなく、そうやって文句をつけた方がよいと思ってしているのだ。つまり店になめられたらあかん、と思っているのだ。もしくは文句は言わなければ損と考えている。だけどね、おばさん、そりゃお門違いというもんですよ。東南アジアやインドあたりで買い物をしているんじゃないんだから。無論あまりにもおかしい事には文句を言うべきだが、前菜を 3 皿も頼んでそれに続けてすぐにパスタが来ないのに「遅い」と文句をつけるのは、つけるほうが間違っている。そういう文句は、早さが勝負! みたいな店でつけましょうね。
さらにもう一方の隣の席では、もろ業界人が業界まるだしで喋っていてたまらん感じ。なんで業界人って女の子の事を「ちゃん」づけで呼ぶのか。なぜあんなにナルシスティックでかつポジティブなのか。なぜ一匹狼を気取りたがるのか。なぜ業界人の悪口を言うのか! あんたら爪の先まで業界人やん。やれやれ。落ち着いて飯も食えませんなあ。
小川顕太郎 Original:2000-Nov-16;