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 Diary 1999・8月16日(MON.)

大文字

 今日は大文字の日だってんで神戸から友人のウエナカさんが仕事帰りにわが家に駆けつけ屋上にて鑑賞。って言っても「大」の字しか見えないし、別段字が踊ったり跳ねたりするわけでもなし、何が面白いんだかあたしにゃさっぱり分からない。確かに周りのビルの屋上にも人々がうごめき各所でフラッシュが瞬くさまは滑稽といえば滑稽で、タイラから貰った泡盛をグイグイ飲みながら近くの屋根の上でそりかえっている下着姿のじいさんをみてると、それなりにスリルもあって楽しめるが、じきに飽きる。シーサーの形をした一号瓶がカラになったので「先に降りるよ」と声をかけて家の中に戻りゴロンと寝転がって意識を失う。

「いつも食事をご馳走になってるし、今日は私が奢るのでどこかに食べにいきましょう」とウエナカさん。確かに家に来るたびに食事を作ってあげてはいるが、そもそも会社の休みの日ごとに京都まで呼びつけ、掃除・洗濯・買い物・壁のペンキ塗りなど、あらゆる雑事を押し付けているのは私とトモコなのだが、そんな細かなことにこだわっていたんじゃオパールみたいな砂上の楼閣は維持できません。「よし、行こう行こう」とよろめく足で出かけ、近所のノルマンディーというスペイン料理屋さんへ。

 とりあえずワインのボトルを一本と前菜にエスカルゴを注文する。「私、エスカルゴ食べるの初めて!」と無邪気に喜ぶウエナカさんに対し、「あ、そう。まあ遠慮せずに食べてよ」と奢られる身のうえですっかり偉そうな私。いやあ大文字はつまらんかったがスペイン料理はいいね、と満足して帰途につく。ちなみにお勘定は 3 人で 1 万 5 千円なり。ウエナカさんごちそうさまでした。家に帰りつけばまたゴロリと横になって意識を失う。それでもトモコが「コーヒーをいれろ!」と叫びながら私を蹴りまくっているのはなんとなく分かる。

小川顕太郎 Original:2000-Aug-17;