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 Diary 2005年5月3日(Tue.)

反日暴動

 私はテレビや新聞を見ないので、現在韓国や中国で吹き荒れてゐるといふ反日暴動が如何様なものなのか、といふのをよく知らない。といふか、今の言ひ方は一寸間違ひで、正確には「反日暴動が如何様に報道されてゐるか」といふ事をよく知らない。そもそもメディアといふのは事実を曲げて伝へるものだけれど、テレビや新聞のやうなマスコミになればその曲がり具合も甚だ大きく、ましてや政治的な事柄になれば曲がり過ぎてほとんど「捏造」のやうな状態になるので、返つてそんなものは見ない方が良かつたりするのであつた。先日も韓国から一時帰国したJUNくんから聞いたけれど、韓国内でもあの反日暴動は異常だと見られてゐて、あんなものをやつてゐるのは一部の頭のをかしい人、といふ認識らしい。もちろんJUNくんとて一個のメディアな訳だが、マスコミから流れてくる情報を相対化する一契機とはなるだらう。で、自分の周りを、日本の様子を見てみる。すると、やはりJUNくんの言ふのが実情に近いんぢやないか? と考へられる。日本でも、例へば扶桑社版教科書、いはゆる新しい歴史教科書に反対して騒いでゐる人たちッて、一寸をかしいでせう? あれは「子どもと教科書全国ネット21」といふ団体が、全国にキャラバンを派遣して「反対! 反対!」と騒いでゐる、つまり一部の人たちが全国各地に出掛けていつて騒いでゐるだけなのだけれど、それがマスコミを通れば、日本全国で反対運動が起きてゐる、といつた感じで報道されてしまふ。そして結局、全国的に扶桑社版の教科書が不採用になる、と。これと似たやうな構造が、今回の反日暴動でもあるんぢやないか? 一部の変な人が「反日!」と騒ぎ、それをマッチポンプ的にマスコミが煽り、結果として大騒動になる、と。実際はどのやうな感じで反日暴動が行はれてゐるのか、微妙な所だと思はれます。しかし、韓国や中国で反日教育が行はれてゐるのは事実。かの国の人たちは、かなり歪んだ歴史認識を抱いてゐると思はれる。とは言へねー、うーん、なんて言ふか、この「反日」といふのがまた、ややこしいんですよねェ。とりあへず、「反日」はアメリカが戦後アジアに打ち込んだ楔だから。アメリカ、及び西洋世界の人々は、アジア人(黄色い土人ども)が自分達と対等、ましてや上になるなんて事は絶対に許せない。だから戦前にそれを目指し、たとへ一瞬と言へどもそれに成功するかと思はせた日本、及びその大東亜共栄圏構想を決して許せない、と考へてゐる。だから戦後、全アジア(日本含む)に「反日」といふ楔を打ち込み、日本がアジアを纏めることができないやうにしたのであつた。故に、「反日」と聞けば反射的にそこに「アメリカの陰謀」をみるのが正しい態度だ。「反日! 反日!」と騒いでゐる連中は、本人達が意識するしないに関はらず、アメリカの世界支配戦略の駒となつて踊つてゐる猿だからである。南京大虐殺、靖国、従軍慰安婦、全てこれらもこの猿回しの演目である。滑稽で、かつ哀しい。

 そこで私からの提案だが、例へば中国における反日暴動の映像なんかを見て、「このチャンコロどもが!」と怒り心頭に発しさうになつたら、猿回し用の太鼓を持ち出してきてトトトン! と叩き、「うむ、これもアメ公どもの陰謀か」と呟いてみる。さうすれば一寸冷静になつて、マスコミの情報に流されないですむやうになるのではないでせうか。なにより自分がバカッぽくて良いと思はれます。

小川顕太郎 Original: 2005-May-7;