オイシン自信満々
オイシン来店。昨日の卓球大会で、オイシンの(自己申告)不敗神話は完膚無きまでに叩き潰された。しかし、まァ、それはそんなに驚くことではない。オイシンと言へば、自称WEBデザイナーとしてオパールに乗り込んできた5年前から、自己認識と実力が著しくずれてゐる事で夙に名を馳せてゐたからだ。卓球の後、オパールに帰つてきたオイシンはテラリーと将棋を指して惨敗。ババさん・テラリーと3人でジェンガをやつて、撃沈された。が、これらも別に驚くことではない。オイシンが大きく吹いた後で惨敗する、といふ光景は、オパールでは単なる日常風景と化してゐるからだ。しかし! やはり今になつても私が驚かざるを得ないのは、これだけ散々なる醜態を晒したオイシンが、それにも関はらず自信満々である事だ。昨日の卓球についてのオイシンのコメント。
「いやー、みんな思つたほど大したことないですねー。特にウメドンには拍子抜け。あの程度なら、そのうち勝てますよ」
とてもこれが、ボロボロに負かされた男のセリフとは思へない。さういへば卓球素人であるヤマネくんにも完敗してゐたぢやないか、元卓球部として恥づかしくないのか! え、オシシン。
「あー、あれはねー。バックが入らなかつたんですよー。ボクはバックが得意ですからねー。バックさへ入れば勝ててました。」
ううーむ、かういつた事を何の疑問もなく口にできるのが凄いよなァ。ちなみに全員(オイシン除く)から、上手い! と認められたヤマネくんのコメントをきいてみやう。
「みんな色々と言ひますが、さすがにウメドンは大したもんでしたよ」
なるほど。オイシンとは対極的なコメントだ。これが性格の違ひからくるのか、認識力の違ひからくるのか。
性格の問題なら、まァ、良い。人間は、少々自惚れてゐるくらゐの方が万事うまくいく、と言はれてゐるからだ。ポジティブシンキング、といふ奴だな。斎藤一人の考へも、これに近い。いづれ家業を継がねばならないオイシンにとつて、これは良いことだらう。が、もし認識力の問題だとしたら、オイシンは会社を潰してしまふかもしれない。これは、深刻な事態だ。私は深く憂慮する。…しかし、たとへ会社を潰したとしても、「ま、オレはこんな小さな会社の社長に収まる器ぢやなかつたんだよなー」とポジティブに考へるかもしれないし、そもそも会社が潰れた、といふ事を認識できないかもしれない。「いやー、会社経営ッて、思つたほど難しくないですねー。その気になれば、長者番付楽勝でしたよ」などと言ふセリフを聞かされる日が、いつか来るかもしれない。その時のことを考へると、恐ろしい。
なんにせよ、オイシン自信満々である。
小川顕太郎 Original: 2005-May-6;