時の流れ
私が店に行くと、すでにオイシンが来店してゐて、ショウヘイくんとテラリーの3人で、ガンダムの話に花を咲かせてゐた。私はその様子を横から眺めてゐて、何か違和感があるなァ、と考へてゐたのだけれど、それは3人の中で一番テラリーがはしゃいでゐる、といふ事実であつた。今までなら、それはオイシンの役回りだつたのだ。しかしさすがにオイシンの方がテラリーより年上だし、すでに仕事も持つてゐる社会人、さらにオパールに関してもはるかに先輩なので、余裕を感じさせるといふか、一歩引いたところからテラリーに考慮しつつ会話に参加してゐる、といつた趣なのである。時は確実に流れてゐるのだなァ、と詠嘆。
ハッサクさん来店。テラリーはシャッポーを使つて対応する。
「イラッシャイマセ! シャッポーデス!!」
「うわー、かはいいー!!」
「かなり色々な動きをマスターしました。…クロール!」
「すごーい!」
「息継ぎ! …プハー!」
「わー! ねェ、ねェ、ぢやあ、喋つてよ。腹話術で」
「ふ、腹話術ですか‥。…、…、…、で、できません!」
「ダメぢやーん」
「すみません…」
日々高くなるシャッポーに対する要求に、些かたじろぎ気味のテラリーであつた。ま、次は花見の席取りだよ。
ウメドン来店。ウメドンが、自分も本を読んでみたいのでハッシーの読んでゐる本のリストを教へて欲しい、といふので、別にいいけれど必ず感想文を書くのが条件だ、と半ば冗談で言ひつつリストを教へてあげたら、本当に感想文を書いてきた。えらい。真面目に感想文を書いてきたのは高く評価する。が、いかんせん内容がなァ…。とりあへず、
- (笑)は使はない
- 喋るやうに書かない
- 初めて読む人にも分かるやう、様々な前提条件を抜かさず書く
の三つを守つて次回から書いて来るやう指導する。ッて、私は先生か。
ババさん来店。どこかに遊びに行つてゐたオイシンも帰つてくる。
「お、オイシン。今度日垣隆の講習会に参加するらしいやん」
「ええ、ボクも仕事が忙しいんでね、残された僅かな時間を使つて如何に効率よく勉強できるか、本を読めるか、といふのが切実な問題なんですよ」
「オイシンは偉いなー、う〜ん、えらい、えらい!」
「いやー、それほどでも」
いや、ホントにオイシンは偉いよ。ちやんと、講習会のレポートを提出しろよ。
「任せて下さい! オパール道場復活ですか?」
うーん、ま、そんな所か? …と、3人で喋つてゐると、先程の印象を訂正したくなつてきた。
やはり、時は流れず。
小川顕太郎 Original: 2005-Mar-30;