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 Diary 2005年6月6日(Mon.)

マカオ日記 第一日目

 いつものごとく店から帰つた後、徹夜で準備をし、空港に向かう。…それにしてもこれ、何とかならんか。徹夜で旅に出ると、必ず初日がボロボロになつてしまふんだよねー。だからこそ、近場でアジア、に行き先を定めてゐるのだが、今回はこの見通しも少々甘かつた事が判明した。

 マカオに入るには、香港からフェリーで行くのが一般的のやうである。我々もその方法をとつた。マカオは1999年に、ポルトガルから中国に返還され、同じく英国から返還された香港と同国になつたのだが、特別区扱ひとかで、入国にはパスポート & 入国手続きが要る。つまり、我々はまづ香港に入国し、フェリー乗り場まで行つて、そこで香港を出国し、フェリーでマカオへと渡る。そこでさらにマカオにて入国手続きをする、といふ訳だ。些かややこしい。我々は覚悟をきめて臨んだのだが、実は今は香港国際空港から直接マカオへ行くフェリーも出てゐて、それを利用すると香港への入出国手続きが不要となる。これはいい! と我々は香港国際空港で予定を変更し、この簡単ルートをとる事にした。良かつたー、楽ちん楽ちん。…と、思つてゐたら、事はさう簡単に運ばなかつたのである。いや、確かに手続きは簡単なのだが、フェリーの本数が極端に少なく(一日4本)、凄く待たされるのだ。ただでさへ、寝不足で疲労してゐるのに、こんな目に会はされたんぢやァ…。結局、マカオのホテルに着いたのが18時。家を朝の6時に出てゐるので、12時間かかつた事になる。つ、つかれたー。

 マカオは、ほとんどの人々が住んでゐる半島部分と、コロアネ・タイパといふ二つの島から成つてゐる。我々が泊まつたのは、中でも最も人の手が入つてゐないコロアネ島にあるウエスティン・リゾートホテル。海岸沿ひに建つリゾートホテルで、熱帯植物の森の中に、その真ッ白な偉容を現してゐる。部屋からはプールと海が一望でき、波の音、鳥の囀り、風に揺られる南洋の木々の音が耳を打つ。広いベランダにはテーブルと椅子、木製の寝椅子、などが置いてあり、太陽の光と南の風に身を晒すことができる。正にそこにはリゾートライフが! …んが、オフシーズン故仕方ないとはいへ、天気はあまり良くなく、曇天。さらに海は、汚い(?)とは聞いてゐたが、ホントに茶色で、情緒を損なふこと夥しい。ま、いいか。ウエスティン特有のヘブンリーベッドに、身を放り投げ、とにかく一時の睡を貪ることにした。眠すぎる……。

 21時頃に目を覚ます。やばいな、何か食べないと。とにかくここはリゾート地なので、周りに何もない。食事はここで食べなければ。もちろん、ルームサービスは24時間完備してゐるし、タクシーを飛ばしてマカオ半島まで行けば、そこは欲と快楽の渦巻く不夜城なのだけれど、今はチトそれはしんどい。で、ホテル内の広東料理屋「観海楼」へ。「美味い!」と、トモコが人差し指を立てる。確かに、これは美味い。紹興酒もボトルでとつて、グイグイ飲む。ホテルのラウンジでは生バンドが演奏をしてゐる。さすがにホテル内には人が少ない。部屋に戻ると、来た時になかつたのでトモコが電話でガンガン文句を言つたサービスの品物、ポルトガルワインと南国のフルーツの盛り合はせが届いてゐて、テーブルの上に置いてある。それを持つてベランダへ。満天の星の下、波の音を聴きながらポルトガルワインを傾ける。……でも、やつぱり疲れてゐて眠いのですぐに寝ました。

小川顕太郎 Original: 2005-Jun-11;