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 Diary 2005年2月13日(Sun.)

あだ名騒動

 マツヤマさん & サコさん来店。今月の20日にタカハシくんが現在勤めてゐる料理屋を辞めるので、最後になるかも、と行つてきたのださうだ。二人でワインのボトルを2本開けたさうで、さすがですねー! と下戸の私が感心すると、「まだまだ、全然いける!」とサコさんは意気軒昂であつた。マツヤマさんは何故か歯をカチカチ鳴らして「寒い!」と呟いてゐた。

 ところで話はタケオカくんの事に移るのだが、先日私はタケオカくんとテラリーをお互ひに紹介した。その時にテラリーが「テラリーこと****です」と自己紹介したので、当然タケオカくんも「ブタことタケオカです」と自己紹介すると思つたのだが、なぜか「タケオカです」としか言はなかつた。せつかく「ブタ(さん)」といふ立派な綽名があり、みなにもさう呼ばれてゐるのに何故それを言はないのか、と思ひ、私は「ほら、タケオカくんもちやんと綽名を教へないと」と促したのだが、「ボクには綽名なんてありません!」と言ひ張るのだ! 実は私にはひとつの目論みがあつた。テラリーの好物は「酢豚」である。だから、タケオカくんが「ブタです」と自己紹介したら、「お、さういへばテラリーは『酢豚』が好きだつたな。ま、『酢』はないけれど、『ブタ』さんとは仲良くできるかも、ハッハッハ、今日は佳き日ぢや」と言ふつもりであつたのだ。私はこの素晴らしい思ひつき(今にして思へば言はなくて良かつた、とも思へるが)を邪魔されてゐるやうな気がして、「えー、ちやんと綽名があるだらう。『ブタさん』といふ立派な綽名が」と憮然としながら言つたのだが、それに対して「それはマツヤマさんが勝手にさう呼んでゐるだけで、綽名ぢやありません」と答へたのである。

「なにー! それは言ひ掛かりだよ! 自分から『ブタ』と言ひ出したんぢやないか!」とマツヤマさんは叫んだ。「そもそも最初にうちにカットの予約の電話をかけてきた時に、『ブタです』ッて、言つたんだよ、自分から。予約の電話を受けつけたハナヨちやんが『あのー、ブタ、ッて聞こえたんですけど…まさかね、でも、…ムタさん、だつたかな…』と、凄く困惑してゐたんだから」

「さうさう」とサコさんも相槌をうつ。「私も初対面で『ブタです』ッて言はれて、え? ウタさん? ッて、思つてたし。だつて、ブタですか? なんて、聞き返せないぢやない。私も『サコ』といふ名前なんで、よく『タコ』と間違へられるんです。だから『ブタ』といふ名前もあり得るかも、とは思つたんですけど…」

 うーむ、人騒がせな「ブタ(さん)」騒動だが、もしかしてかういつた困惑が必ず起こる事がイヤになつて、「ブタ(さん)」といふ綽名を捨てやうとしてゐるのだらうか、タケオカくん。しかし、それは勿体ない。そもそも「テラリー」といふ綽名だつて、最初はみんな「テラリー? ? ?」ッてな感じで、呼び難さうにしてゐたのだが、今では普通に「テラリー」「テラリン」「ラリラリ〜」「テラリー・クリントン」等と呼んでゐる。せつかく定着した綽名は大切にしやう。

 今日はえらく寒かつたです。

小川顕太郎 Original: 2005-Feb-13;