Diary 2005年2月3日(Thu.)
大掃除
本日は大掃除。例年なら年末に行ふのだが、昨年末はまだテラリーもをらず、なにかとバタバタしたので、太陰暦に合はせてみたのだ。テラリーにとつては、オパールスタッフ全員と一緒に仕事をする貴重な機会でもある。みんなと共に店をピカピカに掃除する、といふのは、イニシエーション的な意味合ひもあるだらう。と、いふ訳で、テラリーには大いに奮発して貰ふ事にした。
「テラリー、高校の時に柔道部だつたんでせう。この重いやつ持ち上げて」
「はい、分かりました」
「テラリー、中学の時に卓球部だつたんでせう。この細かいやつ整理して」
「はい、分かりました」
「テラリー、背が高いんだから、あれとつて」
「はい、分かりました」
「テラリー、新人なんだからアンパン買つてきて」
「はい、分かりました」
「テラリー、次回の演サバにエントリーしておいたから、ちやんと演歌を歌ふやうに」
「はい、分かりました」
「テラリー、私たち疲れたから、代はりにこれやつておいて」
「はい、分かりました」
「テラリー、退屈だから何か芸でもやつてよ」
「はい、分かりました」
「テラリー、もしイヤだつたらいつ辞めて貰つても構はないから」
「はい、分かりました」
……あのな、テラリー。いくら元体育会系だからといつて、ちよつと素直過ぎないか? あんまり素直過ぎると、話が展開しないんだよ、分かる?
「はい、分かりました」
一応、私は毎日日記を書かなくてはならないんだから、それに協力するやう、なにかもつと手応へのある反応をしてくれないと。
「はい、分かりました」
………「………」
分かつてないやん。
「いや、でも、これで今日の日記はとにかく書けたんぢやないですか?」
…ま、さうなんだけどさ。
小川顕太郎 Original: 2005-Feb-7;