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 Diary 2005年8月18日(Thu.)

サンズン?

 さて自らのお盆休みの間、それは12日の金曜日から17日の水曜日までの6日間、ズーッとオパールに通ひ続けた男がひとりゐる。彼の本名をここで書いてもよいのだが、私も最近の個人情報保護ブームに乗つて彼の本名は伏せ、綽名か何か、別の名で呼ばうと思ふ。が、彼は特に綽名などないやうなので、こちらで作らなければならない。どうするか。

 まづ、彼のルックスを見てみやう。トモコによると、彼のルックスは「ポカホンタス」なのださうだ。ディズニーアニメの『ポカホンタス』。「あー、なるほど! 似てる、似てる。ディズニーに出てくる、万人の嗜好に合はせたかのやうな二枚目顔。深みのない、上ッ面なところがソックリ!」とババさん。うーむ、候補1「ポカホン」

「あ! もつと似てゐるのがあつた」とトモコ。「グリーンジャイアントよ! もう、ソックリ! これで**くんの顔を緑に塗れば、見分けがつかないわ」「確かに! その服の下には葉つぱの腰巻きをしてゐさうだ」。では、候補2「グリジャン」

 次に、外見ではなく、彼自身の内面、性格、などから綽名を考へてみやう。彼の特徴は、何と言つても舌先三寸なこと。私はかつてここまで舌先三寸な人間を見た事がない! 六日間オパールに通つたので様々な人々と出会つた訳だが、みんな彼の舌先三寸振りに驚いてゐた。で、候補3は「サンズン」

 ううむ、しかし、こんな事をしてゐたら、一向に話が進まない。そもそも私が言ひたかつたのは、こんな舌先三寸な男が、何故六日間もオパールに通つたのか、といふ事である。彼はいつも帰り際に「ぢや、明日また来ます」とか「今月中にあと2回来ます」「来週の水曜日に来ます」などと、必ず言ふのである。我々はそんなものは心にもない舌先三寸な言葉だと分かつてゐるので、「絶対にウソ!」と指摘するのだが、彼は「いやいや、ホンマです」と真面目な顔で言つて、帰つていく。もちろん、約束通りに来た事は一度もない! で、今回も、12日の金曜日に「お盆の間ズウッと、17日まで毎日来ます」と言つて帰つたのだが、我々は全くその言葉を信用してゐなかつた。ところが、なんと! 間抜けな事に、彼はその日に買つたばかりの靴を忘れていつたのであーる!

 もちろん、彼は忘れ物に気がついて戻つてきた。が、これも“もちろん”! 我々は「明日から毎日来るのなら、別に今ぢやなくてもいいぢやないか。それとも、また舌先三寸か?」と答へ、「そ、そうですね。ぢやー明日から17日まで毎日来ますから、最終日には返して下さいね…」といふ返事を得たのである。サンズン破れたり! それでも、本当に毎日通つてきたので、我々のサンズンに対する評価は上がつた。なかなか偉いぢやないか、ポカホン。いや、これは別にオパールに毎日来たから、といふだけで褒めるのではなく、洒落が分かる人間だから、といふので褒めてゐるのだ。good job グリジャン!

 さて綽名はどれが良いだらう。

小川顕太郎 Original: 2005-Aug-22;
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