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 Diary 2005年4月6日(Wed.)

花見前日

 たうたう花見前日となつた。テラリーは決死の表情で「必ずや、席を確保いたします!」と言つて友人を伴ひ、円山公園へと出掛けていつた。私はオパールでひたすら報告を待つた。いや、実を言ふと、お客さんを待つた。行楽シーズンになればいつでもかうだが、もの凄く店が暇になる。誰も来ない。誰もゐない店内に、アン・ピーブルズの歌声がもの憂く響く。

「なんとか席を確保しました」とテラリーから報告が入つた。うむ、やるな、テラリー。しかし、店の方には相変はらず誰も来ない。暇すぎる…。と、ウメドンがやつて来た。さうか、今日はテラリーとウメドンが場所とりをして、円山公園で夜を明かす予定だつたんだ。が、テラリーの友人が来てくれたので、別にウメドンは行かなくてもいいよ。

「えええ〜、メッチャ用意してきたのに!」と、カバンからヌンチャクと将棋盤をとりだすウメドン。ううむ、そこまで用意してきたのなら…よし! 行つてきてくれ! が、そんなに急いで行く必要もないので、ウメドンはショウヘイくんと将棋をさすことになつた。一局目、即殺される。二局目、形勢が悪くなつたところで将棋盤をグルリと回した。それでも、負ける。仕方ないので三局目は、ショウヘイくんの持ち駒は王将のみとした。王将ひとり対全軍。さすがにこれならウメドンも勝てるんぢやないか? いや、そんな訳ないかな? …激闘の末、やはりといふか、ウメドンは討ち死にした。「ショウヘイさん、強すぎますよ!」いや、ウメドンが弱すぎるんだ。

 そろそろ円山公園にウメドンを送り出す、といふ段になつて、ハタと困つた事を思ひ出した。テラリーの友人が来てくれたので、ウメドン用の寝袋がないのだ。今夜はすでに雨が降つてゐる。寝袋なしでは辛からう。特にウメドンは、明日の朝一番で起きて会社に行かなければならない。さて、どうしやう? と首を捻つてゐると、「いいものみつけたわよ」と言つて、トモコが商品を包むやうのプチプチを持つてきた。なるほど、これはいいかもしれない。と、みなでプチプチを切つて貼つて即席の寝袋を作製した。枕もついてゐるといふ優れものだ。オートクチュール、時価20万円。これを無料でウメドンにやらう!

 意気軒昂と雨の中を円山公園に向かうウメドン(と付き添ひのショウヘイくん)。明日は雨が止めばいいのだが。

小川顕太郎 Original: 2005-Apr-10;