やり抜く力
オイシン来店。もうすぐ岐阜に帰り会社勤めを始めるオイシンのために『考える力、やり抜く力 私の方法』 (中村修二著)をやる。著者の中村修二氏は、世界中の学者・研究者たちが血眼になつて発明に取り組んでゐたものの、とうてい 20 世紀中には無理だらうと言はれてゐた「青色発光ダイオード」を、日本の片田舎で独力で 20 世紀中に発明してしまつた偉人である。今年のノーベル賞候補にも選ばれてゐる。このやうな人の書いたものなので、興味深い知見に溢れてゐるのだ。中でも、最も私が感銘を受けたのが「やり抜く力」といふ事である。
実はこれは中村修二氏に限つた事ではなく、何ごとかを成し遂げた人々が共通して言つてゐる事なのだが、やはり「やり抜く力」といふのが大事なのである。中村修二氏は、大抵の人は成功へのスタートラインについた途端に引き返したり、方向転換をする、と言ふ。では、成功へのスタートラインについた、とは、どのやうに判断するのであらうか。それは、やるべき事は八方手を尽くしてやりつくし、知力体力ともに限界まで使いつくして、もう万策つきたと絶望して諦めたとき。それが、実は成功へのスタートラインなのである。だから、もう本当にダメだ! と絶望した時に、諦めたり方向転換したりせず、よし! やつとスタートだ、と考へてさらなる努力が出来るかどうか、が、勝負の分かれ目なのだ。ここを突破するのが「やり抜く力」なのである。
「うーん、なるほど…、でも、それは難しいですよねー。ふつう、諦めますよ」
まァ、な。でも、本当に難しい、といふか厳しいのは、スタートラインがいくつも、いくつもある事だ。
「え? どういふ事ですか」
それはな、オパールも来月で 7 周年を迎へる訳だが、この 7 年間、一体いくつのスタートラインを通過したことか…。
「あ、なるほど。……」
うむ。……
あ! スタートラインが見えた!
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